2013.01.10

【日本代表】山田大記(ジュビロ磐田)「W杯出場のために今の日々がある」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

1988年12月27日、静岡県生まれ。藤枝東高、明治大学を経てジュビロ磐田へブラジルW杯を狙う刺客たち(1)~山田大記(ジュビロ磐田)~後編

「プロに入ったときからブラジルW杯を見据えていた」と、山田大記は語った。メンバーが固まりつつあるザックジャパンだが、その中へ割って入ろうとしている若きプレイヤーたちは今、何を思いながらプレイしているのか。

 山田はインタビューを受けるときも、媒体の向こうにいる人間を意識し、インタビュアーがなにを求め、どんな記事を書きたいのか、を探ってから言葉を選ぶという。自分がどう伝わるか、にこだわる点が、「腹黒い」とチームメイトに冷やかされる所以(ゆえん)だろう。しかし、プロのアスリートが活躍を遂げるためには、世間を生き抜くためのはったりや一種のナルシシズムが欠かせない。

「大記はとにかくボールが好きな子。(藤田)俊哉っぽいところがあります。ただ、あいつが何者になるかはこれからですよ」

 磐田のヘッドコーチで、若手指導に定評のある長澤徹はそう証言している。

「彼の武器は、ペナルティエリアまで30mでのプレイと攻守のトランジッション(切り替え)でボールを奪われない点。人間的には、自分を律する力が強いから人も動かせる。リーダーの資質があるでしょう。若い選手にキャプテンを背負わせない方がいい、と言う人もいますが、あいつは率先してやって周りも信頼して動いています。このチームでプレイを磨き、実績を積み上げていけば、いつかは海外挑戦をするんでしょうね。

 ただプロは甘い世界じゃない。ゴールを奪う選手なのか、ドリブルで仕掛ける選手なのか、ゲームメイクをする選手なのか……その特長は、自分自身で見つけていかないといけない。どこか明確に評価される部分ですね。個人的に、大記はゴールゲッターであるべきだと思いますけど」

 今や世界で活躍するには、攻撃的MFも高い得点力が求められる。

 リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドという世界で一、二を争う選手たちは、神懸かり的な得点力を見せてスターダムを駆け上がっていった。セレッソ大阪のレヴィー・クルピ監督が、今や欧州で評価の高い香川真司、乾貴士に「ゴール」を執拗に求めたことはよく知られる事実である。現代の攻撃的MFは、「守備に貢献している」「ドリブルで時間が作れる」くらいでは世界標準では見向きもされない。