【日本代表】福田×名波が激論する「ザックジャパン、メンバー固定の是非」 (3ページ目)

  • 小室 功●取材・文 text by Komuro Isao
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

――本田圭佑選手や香川真司選手、遠藤保仁選手や前田遼一選手など、今の日本代表は代えの利かない選手ばかりですが、アウェーのオマーン戦では改めて岡崎慎司選手の重要性を感じました。彼に代わるような選手もいないように思います。

福田 2列目に、香川、本田、清武、もしくは乾(貴士)とか、彼らのようなタイプが並ぶと、サッカーはきれいかもしれないけれど、攻撃がマイルドで、トゲがない感じがするね。岡崎のようにゴールに向かっていくランニングがあるからこそ、そこにボールも出せるし、相手が嫌がるわけだしさ。技術的にはそれほど高くはないけれど、彼の不器用さは攻撃の怖さやアクセントにつながっている。彼に代わる選手はそういないんじゃないかな。

名波 岡崎の、敵のDFラインの背後をとる動きは、相手に脅威を与えるし、深みを作れるので、バイタルエリアやミドルレンジにスペースが空いてくる。それによって、技術の高い選手が自分の好きなプレイを出しやすい状況が作れるわけで、岡崎や前田がいると、2列目の選手たちはすごくやりやすいはずなんだよ。ただ、彼みたいな奇抜な動きは教えてできるものではないし、真似しろといっても無理な話。岡崎も間違いなく代えの利かない選手だよね。だから彼の場合も、代役を探すような発想は持たないほうがいい。もし不在なら、まったく別の観点で考えたほうがいいだろうね。

――決定力があって、スペースを突く動きの優れた佐藤寿人選手を2列目のサイドに置くという選択はいかがですか?

名波 うーん、ちょっとタイプが違う気がするな。サイドではどうしても守備も要求されるし、寿人を使うならトップのほうがいいと思う。

福田 寿人は、動いて周りを生かすというより、周りに生かされるタイプ。広島でやっているようなパフォーマンスを見せるには、周りとの関係が命だからね。

――では、清水エスパルスからドイツ(デュッセルドルフ)に行くことが決まった大前元紀選手はいかがでしょう。

名波 それはありかも。サイドからラインの背後をとりにいく動きがわかっているし、得点力もある。技術的には岡崎より上で、あとはどれだけ"怖さ"を身につけられるか。向こうでのパフォーマンス次第では、チャンスを与えてもいいかもしれない。

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