【日本代表】中村憲剛「ボランチでプレイする準備は常にできている」 (3ページ目)
一方、チーム内に目を移すと、スタメンの顔触れが変わらないなど、やや組織が硬直化しつつある。そうした状況に、中村は不安を感じていないのだろうか。
「(不安は)ないですね。スタメンはさほど代わりませんが、ベンチメンバーは目まぐるしく入れ替わっていますから、競争は激しいですよ。キヨ(清武弘嗣)をはじめ、(酒井)高徳、(酒井)宏樹らがガンガン伸びてくれば、チーム内の競争は一層激しくなるし、みんながさらに貪欲になれば、チームの伸びしろも増しますからね。もちろん、自分も出場機会を増やせるようにしないといけないし、下からの突き上げにも弾かれないようにがんばらないといけない。そういう危機感、緊張感が、チームはもちろん、自分を伸ばしてくれるので、もっともっとやらないといけないって思っています」
もうひとつ、中村に対しては気になることがある。彼のポジションは今、本職のボランチではなく、トップ下である。本人はその点をどう思っているのか。
「僕もボランチでプレイする準備はできています。前にいる豪華な選手たちにパスを出してゲームを作ってみたいですし、ヤットさん(遠藤保仁)やハセ(長谷部誠)ともいつでも一緒にやる準備はできていますから。でも今は、トップ下でがんばって、もっと点を取らないといけない。そうでないと、あのポジションでの存在価値がないですし、代表に生き残ることができないですから。"結果が命"と思っているような選手たちとしのぎを削っているので、のほほんとしてはいられないんですよ」
最終予選では首位を独走し、欧州遠征では課題や収穫を手にした。現在までのチームの完成度を、中村はどのように見ているのだろうか。
「これから新しい選手が入ってきたり、システムも変わったりすることもあると思う。でも、チームの大枠は固まってきているので、おそらく70%ぐらいまで仕上がっていると思います。今後、コンフェデレーションズカップなどで強い国と戦うことで、チームはまだまだ伸びていくはずです。今のチームは本当にバランスがいいので、このメンバーで成長していけたら、世界でも十分に勝てると思います」
中村の言葉からは、現チームへの期待感がひしひしと伝わってくる。そして、残り1年半でどれだけ進化することができるのか、中村自身がいちばん楽しみにしている。
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