2012.11.17

【日本代表】ザックジャパンのサイド攻撃は機能してるといえるのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

オマーン戦でも前半から再三にわたって攻撃に参加していた長友 1点目は長友、2点目は交替出場の酒井高。オマーン戦の2ゴールは、いずれも左サイドバックの折り返しによって生まれた。

 サイドバックをいかに有効に使うか。勝利のカギはサイドバックの活躍にあり。これは現代サッカーの常識になっている。両者の活躍は、中盤志向が過度に強い日本サッカー界に、新たな価値観を示すことになったインパクトの高いものと言える。オマーン戦をひと言でまとめれば、その活躍がいかに有効かを示した一戦になる。

 だが、インパクトの高い活躍をしたことと、試合を通して機能していたこことは違う。活躍はしたが、機能はしていなかった。サイドバックは勝因であると同時に苦戦の原因にも繋がっていた。これはサイドバック自身に原因があるわけではない。チームの問題になる。

 日本には、サイド攻撃といえばサイドバックが攻撃を仕掛けるものという常識がある。これは4-2-2-2や3-4-1-2という、サイド攻撃を仕掛ける 選手が1人しかいない布陣を長年にわたり採用してきたことと大きな関係がある。サイド攻撃の主役はサイドバックでありウイングハーフ(ウイングバック)。 サイド攻撃は、彼らの単独攻撃に委ねられてきた。

 だが、それには無理があった。縦105m のタッチライン際を1人でカバーすることは事実上不可能であるからだ。全力で往復できるのは1試合でせいぜい5回。後半になるとサイドバックはエネルギー切れを起こし、その結果、サイド攻撃は立ちゆかなくなった。彼らは最終ラインに張り付く状態になり、サッカーは必然的に守備的になった。相手がサイドを2人で突いてくると、その傾向はいっそう顕著になった。欧州で3-4-1-2が衰退し、4-2-3-1が興隆することになった大きな理由だ。