2012.10.16

【日本代表】マンUで苦闘続ける香川真司。「ブラジル戦できっかけを作りたい」

  • 了戒美子●text by Ryokai Yoshiko
  • 藤田真郷●photo by Fujita Masato

フランス戦で決勝ゴールを決めた香川 フランス戦、試合終了も間近に迫った87分。フランスのCKのこぼれ球を、ゴール前で今野が運び始めたその瞬間、香川真司は得点を予感した。

「コンちゃん(今野)が持った瞬間にね。相手の戻りも遅かったですし、最後のチャンスということで(自分も)上がっていたから」

 今野はピッチ中央を、怒濤のドリブルで駆け上がっていく。その右を長友が走り、内田も今野を追いかけた。最終ライン近辺に残っていた香川は、やや右サイドからゴール中央へ走り込む。今野が疲れも見せずに丁寧なパスで右に開くと、長友がダイレクトでクロスを放り込む。ワンフェイクを入れてゴール前に入った香川は、倒れ込みながらそのボールを押し込んだ。

「サイドにスペースがあったので、後はタイミングを上手く合わせて。右にユウト(長友)が走って、上手くスペースをあけて、そうしたら上手く折り返してくれた。素晴らしい速攻だったのかなと思います」

 予感が現実へと変わった。ガッツポーズで駆け出した香川は仲間からもみくちゃにされた。押しつぶされそうになりながら、久々に嬉しそうな笑顔を見せた。
 
 今、香川を突き動かしているのはゴールへの強烈な渇望感だ。マンチェスター・ユナイテッドでの最初のシーズンは、順調なようで厳しいものがある。リーグ戦第7節を終えて2ゴール2アシスト。ファン・ペルシーの5ゴールには及ばないが、スター軍団で悪くない数字を残している。それでも、チャンピオンズリーグ第2節はベンチのまま出場はなく、続くリーグ戦では病人が出たために先発出場の機会が巡ってきた形だ。その第7節の出場時間もわずかに55分。危機感は募る。