2012.10.06

【日本代表】欧州遠征はチャンス。フランス、ブラジルは怖くない

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

2001年3月24日、日本は当時の世界王者フランスと対戦、0-5で大敗した。写真はDF森岡をかわすジダン イラク戦に勝利を収め、W杯本大会出場に大きく前進したザックジャパン。しかしながらその1-0は、「ホームのイチゼロは引き分けに等しい」と言いたくなる内容だった。もちろん世の中にはそう思わない人もいる。「W杯予選は内容よりも結果だ」とする意見もある。

 現日本代表はいいのか悪いのか。分かりにくいことだけは確かだ。右肩上がりにあることは事実だが、それはいったいどれほどのものなのか。出場枠が4.5もある緩い設定と、アジアのレベルの低さが、そう見えさせているのか。「W杯予選は内容よりも結果だ」と、大本営発表に従順な人も、どれほど楽観的になっていいものかつかめずにいると思う。

 来るフランス戦、ブラジル戦は、その意味でも興味深い試合だ。分かりにくいものが、これで一気に分かりやすくなるに違いない。

 フランス戦といえば、思い出すのは2001年3月、トルシエジャパンが0-5のスコアでコテンパンにやられた一戦だ。それは見るも無残な敗戦だった。思い出すのは後半21分 のシーンである。右サイドでボールを受けたピレスが、さあ前に出ようと右足のインサイドでボールを前方向に押し出そうとしたそのときだった。ちょうど背後 に位置したフランスベンチから、その背中に向けて声が飛んだ。するとピレスは身体の向きをくるりと変え、右足でボールを切り返し、ディフェンスラインにバックパスを送った......。

 ベンチから飛んだ声の中身は容易に想像できた。「もう止めておけ」。フランスは以降、ゴールを積極的に奪いにいかなかった。0-5には、それ以上の開きがあった。今回も舞台は同じスタッド・ドゥ・フランス。嫌な思い出が蘇る。

 だが、日本が持てる力を十分に発揮していれば(キチンと相手に伝えていれば)、もう少しまともな試合になっていたと思う。実力差に加え、サッカーゲームの進め方という点においても、日本は重大なミスを犯していた。