【リトルなでしこ】攻撃サッカーで観客を魅了。U-17女子が全勝無失点で決勝T進出 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

 そのために吉田監督はかねてから選手たちに「自分で見て、感じて行動すること」を植え付けてきた。選手たちを縛らず、多くを告げず、たとえ指示していないプレイをしても「それが選手たちの判断ならOK」としてきたのは、選手自身で判断する力を養うためだ。

 この教えのもとに、選手たちは今の攻撃力を開花させているのである。次の準々決勝はいうなれば、U-17女子代表・リトルなでしこが初めてぶつかる世界の壁。相手はグループD2位のガーナ。初めて対戦するアフリカ勢だ。

 身体能力が高く、日本が得意とする個の突破もこれまでのようには通用しないだろう。それを踏まえたうえで、攻撃をどう展開していくのか。そして、これまでは相手の攻撃の芽を流れの中で摘み取ることができたが、予想以上のスピードで襲いかかってくるであろうガーナの攻撃をどんな手で封じるのか。そこがポイントになるだろう。

 そのことは選手たちも十分に理解をしている。だからこそ、9-0という大量得点での第3戦の勝利にも関わらず、選手は表情を引き締めている。誰もが口を揃えて「自分たちのサッカーをする」と言う。

 常に自分たちのスタイルを目指しながらも、それだけに凝り固まらず、広い視野で試合の流れの中でベストな選択ができるか。U-17世代の可能性が試される一戦となることは間違いない。

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