【日本代表】木村和司が申す「ザックはポジションを固定しすぎ」 (3ページ目)

  • photo by Fujita Masato

 だいたい、ベネズエラ戦では本田を途中から1トップで起用した。そういう考えがあるならば、余計に香川を真ん中でプレイさせてもいいんちゃうか、と思う。特にあのときは、1トップの本田とどんな連携を見せてくれるのか、誰もが注目していただろうから、なおさらや。

 そのうえで、サイドには宮市亮を起用してほしかったのぉ。サイドからの攻撃では、さらなる工夫や別の展開が求められるだけに、スピードのある宮市がサイドに入ることでどんな形が生まれるのか、見てみたかった。

 結局、中村憲剛がトップ下に入ったけれども、彼の力はもうわかっている。それよりも、ベネズエラ戦のようなテストマッチでは、これまでやったことのない形を試すべきだった。憲剛にしても、サイドに入れたり、ボランチに入れたりすれば、意味がある。それによって、新たな展開や違った形が生まれるからな。

 とにかく、いろいろなことを試せるゲームでは、選手をこれまで固定していたポジションとは別の位置で起用したり、さまざまな選手の組み合わせを試したりして、いろいろな可能性を探ってほしいところ。チームのバリエーションを広げるためにも、必要なことだと思う。

 また、ベネスエラ戦でひとつのテーマになっていたセンターバックにしても、新たな選手を試したほうがいいかもしれないな。

 イラク戦では今野泰幸と栗原勇蔵が出場停止。そのため、ベネズエラ戦では吉田麻也のパートナーとして、伊野波雅彦と水本裕貴が起用された。しかし、ポゼッションを重視したサッカーで、フィードのミスは致命的となる。その点を踏まえると、どちらも合格点とは言えなかったからな。

 イラク戦まで時間がない中で思い浮かぶ人選は、代表ではサイドバックで固定されている槙野智章や、ボランチの高橋秀人。槙野は今回招集されなかったが、代表で過ごしている時間や適応力から考えて、一度試してみても面白かったと思う。ザッケローニ監督は選手それぞれのポジションに、自分なりのこだわりがあるようだけれども、もっと柔軟性を持った選手起用があってもいいんじゃないだろうか。

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