【ヤングなでしこ】なでしこジャパンとは一味違うU-20世代の魅力とは? (3ページ目)

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • 早草紀子●撮影 photo by Hayakusa Noriko

 この2試合を振り返ってみて、ヤングなでしこのサッカーは個々に頼る分リスクは大きいとはいえ、積極的にゴールを狙う度胸のよさが魅力のひとつになっていることは間違いない。

 また、メキシコ戦で先制点を決めた柴田華絵が「私はそんなに緊張していなかった。みんなプレイに自信を持っているので、緊張を楽しめるというところもあるのかなと思います」と話しているように、U-17W杯などの世界大会を経験して実績も残している絶対的な自信も、このチームの長所と言っていいだろう。

 メキシコ戦を観戦したなでしこジャパンの佐々木則夫監督は「技術的なものはすごく高い。ベースはしっかり持っているので、なでしこに入って、勝負どころでこういうミスしてはいけないとか、そういうところの厳しさ、強さを学んでほしい」と、未来のなでしこたちに大きな期待を寄せている。

 ヤングなでしこたちにとって、なでしこジャパンの活躍がひとつのモチベーションとなっていることは間違いない。仲田歩夢は「(なでしこジャパンの選手を見ていて)自分もそういう風になりたいと思うし、すごく尊敬しています。オリンピックを見て、いい刺激を受けてこの大会に臨めていますし、金メダルを取れるように頑張ろうね、っていう話をチームメイトとしました。だから今回は絶対に優勝したいです」と話す。ロンドン五輪決勝戦のアメリカ戦は、ヤングなでしこ全員で朝早起きして見たという。

 30日に行なわれる第3戦の相手はスイス。ここまで0勝2敗でグループ最下位に沈んでいるが、油断は禁物だ。日本は勝利か引き分けで決勝トーナメント進出が決まる。国立競技場のピッチでも、1試合ごとに成長を続けるヤングなでしこの最高の笑顔が弾けることを期待したい。

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