2012.08.23

【ヤングなでしこ】
なでしこジャパンとは一味違うU-20世代の魅力とは?

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • 早草紀子●撮影 photo by Hayakusa Noriko

ヤングなでしこの攻守の要として豊富な運動量で中盤を支える田中陽子 現在日本で開催されているU-20女子W杯で、日本代表"ヤングなでしこ"は開幕戦となった19日のメキシコ戦で積極的な試合運びから4ゴールを奪って快勝。続く第2戦は、22日に宮城スタジアムでニュージーランドと対戦し、2-2で引き分けた。勝って決勝トーナメント進出を決めたいところだったが、決定は次のスイス戦に持ち越された。
 
 今大会に臨むメンバーは、2010年のU-17女子W杯で準優勝したメンバーが21人中10人を占める。それだけに世界一への思いは強く、また、U-17時代から共にプレイしてきたメンバー同士の息のあった連係は大きな武器となっている。

 また、初の日本開催に加えて、ロンドン五輪でのなでしこジャパンの活躍もあり、大会への注目度も高まっている中、ヤングなでしこのサッカーは、なでしこジャパンのそれとはやや違った特徴を有していることをここまでの2試合で見せてくれている。

 まずサイドの選手は相手陣内のアタッキングサードでボールを持つとドリブル突破を仕掛け、できなければ相手を引き付けてからパスを選択する。そして、ゴールへの軌道が見えたらシュートを打つ。たとえそれがペナルティエリアの外であっても、躊躇しないで狙う。初戦の猶本光や横山久美の鮮やかなミドルシュートは、初めてこのチームのサッカーを観た多くの人に鮮烈な印象を与えたのではないだろうか。

 それは、このチームをU-16のころから率いてきた吉田弘監督の明確な考えがベースにある。
「団結や、チームでまとまれるというのは日本の特徴でもあるけど、逆にそれがネックになって、個人がアピールしない、個性が伸びないという要素もあるので、この子たちには競争しながらもっとアピールしてほしい」

 だからこそ、ヤングなでしこはすべての局面で個々の積極的な判断が優先され、とくに攻撃においてはまずシュートを考え、パスはその次の選択肢になっている。それゆえ、なでしこジャパンと比較するとミドルシュートの割合が高く、個々が自信を持って1対1の局面に挑む傾向がある。それがこのチームの魅力にもなっている。