【なでしこジャパン】粘り強くブラジル撃破。チームに生まれた一体感

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

 ブラジルの猛攻を無得点におさえた功労者のひとり、岩清水ブラジルの猛攻を無得点におさえた功労者のひとり、岩清水これぞ、なでしこジャパンらしい戦いぶり。昨年のW杯、準々決勝のドイツ戦を思い出すような粘り強く戦ったすえの勝利だった。

 開始20分はほぼハーフコートゲーム。個人技で勝るブラジルに圧倒され、失点は時間の問題かに思われた。しかしGK福元が好守を見せ、相手のミスにも助けられた。その時間帯をしのぎ切ると、少ないチャンスを確実にゴールへと結びつけた。

 DF鮫島は、その序盤をこう振り返る。

「混乱することはなかったですが、立ち上がりはかなり押し込まれた。CKも立て続けに取られ、かなりやられてましたね。でも、そこで集中を切らさずに無失点で切り抜けられたのが大きかった」

 DF岩清水が続ける。

「いやー、ほんとにキツイ戦いというか、前半にたくさんピンチがあったんですけど、そこを耐え切れたのはW杯の一件(優勝)があったからかなと思います。あそこで耐えると見えてくるものがあるというか。だから、みんなで声を掛け合いながら耐えようと話していた」

 序盤のブラジルの猛攻は予想以上だった。しかし、ディフェンス陣は口を揃えたように、「その時間帯を耐えればチャンスが来ると思っていた」と語った。

 日本がようやくリズムを掴みだしたのは、20分を過ぎたあたりだった。そして数少ないチャンスから得点を挙げたのが、2トップの大儀見と大野だった。

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