【五輪代表】トゥーロン国際で得た、本番への糧となる2つの収穫 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 この時点で、試合時間はまだ30分以上残されていた。殊勲の宇佐美も、「試合の流れを完全に引き寄せた」と感じていた。

「相手に追加点を取られる感覚もまったくなかった。このまま攻め切って(決勝点を)取れるか取れないかというところだったけど......」

 だが、日本にとって、不運な形で勝負は決してしまう。宇佐美が続ける。

「あれはまったくノーファールやと思うけど、ファールを取られて、セットプレイで決められて、という国際大会でよくある流れというか、それがまた起こったというか......」

 相手のタッチライン際のドリブルを大津祐樹がうまく体を入れて止めたものの、それがファールを取られてFKに。そこからヘディングシュートを決められ、決勝点となったのである。

 確かに、エジプトの1点目(大岩一貴のシュートブロックからの一連のプレイがGKへのバックパスと見なされ、ペナルティーエリア内の間接FKを取られた)といい、3点目といい、日本が不可解な判定に泣かされる結果となったのは間違いない。

 とはいえ、そのラッキーなチャンスを確実に得点に結びつけたエジプトと、前半にあった決定機を決め切れなかった日本。そこに明確な差があったことも、また事実だ。宇佐美も「(2失点したが)その分取り返していれば、勝てていた。そこに尽きると思う」と認める。

 結果的に、グループリーグ3試合のみで大会を去ることになった日本。痛恨だったのは言うまでもないが、それでも今大会は、あくまで「ロンドン五輪本大会の準備段階」(関塚監督)。その点で言えば、今大会では得るところも多かったはずである。

 まずは、村松が言うように「日本では味わえないようなアジリティーやパワーの高さは、いい経験になった」ことは、そのひとつだろう。2大会連続でU-20ワールドカップ出場を逃しており、国際経験の乏しい世代だけに、本番前に世界レベルを体感できたことは、大きな収穫だったに違いない。

 と同時に、指揮官にとっては、選手選考において大きな判断材料を加えることができた大会ともなったはずだ。

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