【日本代表】スターの素質十分。ニューカマー・宮市亮がザックジャパンに与える影響

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Nikkan sports

全体練習後、個別にザッケローニ監督から指導を受けた宮市亮全体練習後、個別にザッケローニ監督から指導を受けた宮市亮 2月27日、日本代表が2日後に控えたウズベキスタン戦へ向けて練習を行なったが、そのなかでひときわ高い注目を集めたのが、初招集の19歳、宮市亮である。

 本人は日本代表での初練習に「若干緊張していた」と話していたが、ピッチに現れた瞬間から、その佇(たたず)まいは実に堂々としたものだった。時折笑顔を浮かべ、リラックスした様子でウォーミングアップを開始。その後の非公開練習でも、臆することなくメニューをこなしていたことは想像に難くない。

 それもそのはず、宮市は現在、ボルトンに所属し、日本人選手で唯一イングランド・プレミアリーグでプレイする。所属するリーグの格では、日本代表の誰よりも上。日常的に身を置く環境を考えれば、気後れするところがないのも当然だ。

 とはいえ、日本代表ではあくまで新人。まずは、チーム戦術への適応が求められる。

 実際、ザッケローニ監督の戦術的な要求は細かく、入ったばかりの選手にはハードルが高い。特にサイドでの連携は重視されており、先日のアイスランド戦でも、初めて左MFに入った田中順也が、「かなり怒られました」と話していた例があるくらいだ。

 指揮官が落とした雷について「監督が言っていたのは、スタートポジションのことだと思う」と話してくれたのは、中村憲剛である。

「順也は元々FWなので中央に寄ってしまって、結果的に相手にも捕まりやすかった。ザッケローニ監督の4-2-3-1の"3"のサイドの選手は、外から中へという動きが求められる。(香川)真司も中に入りたがるけど、最初から中にいるわけじゃないから」

 だが、その点に関して言えば、宮市は純正のサイドアタッカーであり、恐らくサイドでの適性は高い。日本代表では左MFでの起用が予想されるが、「ハマるかもしれない」と中村も言う。

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