【日本代表】スターの素質十分。ニューカマー・宮市亮がザックジャパンに与える影響 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Nikkan sports

 そうした期待は当然、ザッケローニ監督にもあるのだろう。「戦術の確認ということで、練習が終わった後に"勉強会"じゃないですけど、直接教えてもらいました」と宮市。ザッケローニ監督は、通訳に加え、DF役のコーチも引き連れて、乾貴士と宮市に個人レッスンを施した。

 自分をマークするDFが近くにいるのか、離れているのか。ボールを持った選手が顔を上げているのか、下げているのか。そこでは事細かに状況を設定し、左サイドに開いている自分がどう動き、周りの選手(1トップ、ボランチ、左サイドバック)とどう連携するのかについて、熱心な指導が行なわれた。宮市が語る。

「日本代表の戦術は本当に細かいので、自分のサッカーの幅というものが、またさらに広がるんじゃないかと思って、学ぶ姿勢を持ってやりたいと思っています」

 そんなニューカマーは、チームメイトからの評価も上々だ。キャプテンの長谷部誠は言う。

「初めての戦術的な練習で戸惑っていた部分はありましたが、そのなかでも光るものを感じました。最初の一歩が速いし、そこからの加速も速い。それに上背もあるし、若いのにしっかりした体をしている」

 また、宮市が「一人ひとりのレベルが高い」と話す日本代表のなかでも、「パスをもらう側として、一緒にプレイしてみたかった」として挙げたのが、中村と遠藤保仁。その中村も、「亮は(自分と)干支が一緒だからね」と苦笑いしながらも、一回り違う19歳とのプレイを楽しみにする。

 地元・愛知で迎える、日本代表としての初陣。宮市が心待ちにするのは、もちろんA代表デビューである。

「プレッシャーは感じていない。出場したら、自分の持ち味であるドリブルやスピードを生かして、ゴールを取りたい」

 サッカー選手としての才能はもちろんのこと、エキゾチックな顔立ちに爽やかな語り口と、スターの素質十分。「絶対に勝って、日本国民のみなさんにいい報告ができるように頑張りたい」。そんなセリフさえも、さらりと口にしてしまう。

 2月29日に行なわれるウズベキスタン戦。いきなりの活躍で、さらに宮市フィーバーが過熱する可能性は十分にある。

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