【日本代表】福田・名波・三浦淳が語る「ザッケローニ監督が取り組む3-4-3の可能性」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 益田佑一●文 photo by Masuda Yuichi

福田 長谷部(誠)は、トップ下がいなくなるから難しいと言っていた。その際、自分たちがどういうポジションを取ったらいいのか、と。そういう戸惑いを選手たちが抱いているのは、事実だと思う。それに、ザッケローニ監督がどれだけ3-4-3を本気でやろうとしているのか、よくわからない。アウェーの北朝鮮戦のときも、最後にどうして遠藤(保仁)や香川(真司)、吉田(麻也)らが抜けたメンバーで3-4-3にしたのか、その意図が読めない。「これはテストですよ」という言い訳のためにやったのか……。ザッケローニ監督は3-4-3にはこだわっていないとも言っていたしね。

名波 S級の講習会でもそう言っていました。ザッケローニ監督は「オレ=3-4-3だと思わないでくれ」と。ただそれは別にして、3-4-3の一番の問題は、スムーズにやれている4-2-3-1から、メンバーを代えずに移行できていないこと。試合中、同じメンバーでシステムを変化させられないところに、不自由さを感じる。でもそれが問題なくできれば、福田さんが言ったように、相手によってシステムを変えたりするイメージが、選手たちの中でも築けると思う。

3-4-3については、「これからもチャレンジしていくことが大切」という福田氏。3-4-3については、「これからもチャレンジしていくことが大切」という福田氏。福田 システムに対する先入観が選手たちの中で強すぎるのも、うまくいかない要因かもしれない。日本人は数字に対してすごく先入観を持つし、うまくいかないとシステムのせいにしたりするからね。そういう意味では、与えられたシステムの中で自分の役割をまっとうできるように、選手たちがもっと自立していくことが重要だろう。役割は多少違うけれども、ピッチの上にいる11人は変わらないわけで、あまり窮屈に考えなくてもいいと思う。ザッケローニ監督のやろうとしている3-4-3も、本当はもっと自由度が高いのかもしれないし。

 いずれにしても、選手や組織が成長していくためには必ず刺激が必要で、新しいことにチャレンジしていくことは大切なこと。チームというのは、マンネリになっていくのが一番いけないことだから、成功するか失敗するかはわからないけれども、チャレンジしていくのは悪くはないと思う。

名波 それと、ベストメンバーでもう少し3-4-3をトライしてほしい。それでどれくらいやれるのか、見てみたい。

【識者プロフィール】
福田正博(ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。言わずと知れた「ミスター・レッズ」。
引退後、2008年から3年間レッズのコーチを務めた。サッカー解説者。
名波浩(ななみ・ひろし)
1972年11月28日生まれ。静岡県出身。ジュビロ磐田で一時代を築いた天才レフティ。
引退後はジュビロ磐田のアドバイザーを務めながら、サッカー解説者としても奔走。
三浦淳寛(みうら・あつひろ)
1974年7月24日生まれ。大分県出身。横浜フリューゲルスなどで左サイドバックとして奮闘。
2010年に現役を引退。2011年からサッカー解説者として活躍。

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