【なでしこリーグ】さらなる高みへ。INAC神戸と女子サッカー界の成長
全日本選手権で2連覇を達成したINAC神戸
2011年シーズンの最後のタイトルである全日本女子サッカー選手権大会の決勝が元日に国立競技場で行なわれ、INAC神戸レオネッサがアルビレックス新潟レディースを3-0で破って大会2連覇を達成した。
拮抗した展開となった前半、終始素早いチェックを見せたのは新潟。神戸の早いテンポで進むゲームに一歩も引けを取らずにプレスをかける。しかし前半終了間際、神戸のチ・ソヨンが新潟DFラインの裏にスルーパスを通すと、そこへ澤穂希が反応し、こぼれたところを南山千明が押し込んで神戸が先制点を挙げた。
後半、新潟は反撃に出ようとしたが、その出鼻をくじいたのは51分の高瀬愛実のゴール。その後新潟は神戸にペースを握られ、最後まで苦しい流れを断ち切ることはできなかった。70分には、CKから田中明日菜がヘッドで合わせてダメ押しの3点目をゴールに押し込み、試合を決した。
「前半のハイプレッシャーで疲労が出て、後半は後手後手になってしまった」とは新潟の阪口夢穂。自身は、ボランチとしてチ・ソヨンとマッチアップ。なでしこジャパンでもトップレベルのコンタクトスキルとプレスでチ・ソヨンの攻撃力を封じ込めたが、チーム総合力の差を見せつけられた。
神戸の今シーズンの強さは、代表選手が7人いるメンバーを見れば納得できる。しかし、前回大会は澤や大野忍らの大型補強をする前のメンバーで成し遂げたものだ。だからこそ、今大会の優勝は当然のことと周りは見ていた。
「就任して2カ月で臨んだ前回大会はなんとしても結果が欲しかった。代表選手を多く抱えている今年は優勝する責任があったし、連覇できて正直ホッとしています」とは神戸の星川敬監督だ。
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