【プロ野球】田中広輔が語る"タナ・キク・マル"トリオと、3連覇のなかで「本当にしんどかった」シーズン (3ページ目)
【リーグ優勝は「すべてが報われるような感覚」】
――田中さんは著書『赤き戦士からの感謝状 田中広輔』(ザメディアジョン)のなかで、2016年シーズンについて「本当に優勝できるのか信じられなかった」と振り返っていますね。
「入団してから一度も優勝争いをしたことがなく、マジックの仕組みもよく理解できていなかったので、チームの活気や勢いは感じつつも『まずは目先の試合に勝つことに集中して、それを積み重ねていく』という意識でプレーしていました」
――チームは2016年9月10日の対巨人戦で優勝を手にしますが、どのような思いで試合に臨みましたか?
「マジック1で迎えたこの日は、黒田(博樹)さんが先発だったこともあり、『今日はなんとしても優勝しなければ』という雰囲気がありましたね。ただ、全体ミーティングでは緒方監督から、『この試合に勝てば優勝だけど、やるべきことは変わらない』という言葉がありました」
――試合は、巨人の坂本勇人選手の2ランで先制を許す展開となりました。
「そうですね。中盤に松山(竜平)さん(現オイシックス新潟アルビレックスBC)や(鈴木)誠也(現シカゴ・カブス)の本塁打で逆転し、それ以降は少し落ち着きましたけど、リードはわずか2点だったので気持ちの余裕はありませんでした。9回2アウトを迎え、打席に亀井(義行)さんを迎えた時には、心の中では『打球、飛んでこないでくれ』と願っていたくらいでしたよ」
――しかしライナー性の打球は田中さんが守るショートに飛びました。それをさばき、歓喜の瞬間を迎えます。
「アマチュアでは優勝経験がありましたが、スタンドの真っ赤な大歓声に見守られながらの胴上げは格別なものがありましたし、やってきたことすべてが報われるような感覚がありました。僕自身は、広島で優勝を経験できるとは思わなかったので、ファンのみなさんと喜びを分かち合えたことが本当にうれしかったです」
【しんどかった2018年シーズン】
――同年の日本シリーズでは、北海道日本ハムファイターズと顔を合わせました。その第1戦で、先発を務めた大谷翔平選手(現ロサンゼルス・ドジャース)と対戦しましたね。
「当時の大谷選手は、まだ今のような『まったく手がつけられない』という感じではありませんでしたが、それでもボールは速かったです。3打席対戦して、ヒットを放つことはできませんでしたね」
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