【プロ野球】「なんでカーブを投げるんだ」 長嶋茂雄に本塁打を打たれた夜から始まった 鈴木孝政をセーブ王に育てた近藤貞雄の流儀 (5ページ目)
その近藤も2006年1月2日、東京都内の病院で呼吸不全のため逝去した。
「お葬式には出ましたけど、お見舞いは断られたんです。病院へ行く前に、『こんな姿は見せたくない』と言っていると聞かされてね。『近藤さんらしいなあ』と思いましたよ。風呂にサッと入ってサッと出てくる。オレンジ色のシャツを着て、髪を七三にきっちり分けて、スーッと帰っていく。ずっとそんなイメージなんです。とにかくダンディーな人でしたからね。だから、『見せたくない』というのも、いかにも近藤さんらしいなあと思いました。
でも、ダンディーなんだけど、試合になると短気で『瞬間湯沸かし器』って言われていました。新しいものが好きで、勢いのある若い選手を使うのも好きだった。欲深いところもあるんだけど、懐が深いんです。それに監督をやれば、ふつうは誰だって『勝ちたい、勝ちたい』という気持ちが出るものです。でも、近藤さんにはそれがあまり感じられなかった。少なくとも、僕の目にはそう映っていましたね」
(文中敬称略)
著者プロフィール
高橋安幸 (たかはし・やすゆき)
1965年、新潟県生まれ。 ベースボールライター。 日本大学芸術学部卒業。 出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。 主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。 著書に『増補改訂版 伝説のプロ野球選手に会いに行く 球界黎明期編』(廣済堂文庫)、『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社文庫)など
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