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【プロ野球】巨人が阪神に勝てない理由を篠塚和典が分析 阪神・佐藤輝明の打撃が本格開花した理由も解説した (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――今シーズンの阪神戦は、1点差などの接戦で競り負けてしまっている印象です。

篠塚 昨シーズンは勝っていたような試合を落としてしまっていますね。やっぱり阪神戦になると少し気持ちが違うのでしょうが、空回りしてしまっているんです。さらに阪神は、ピッチャー陣が先発もリリーフも盤石ですよね。巨人も本来はピッチャー陣がいいのですが、戸郷翔征や井上温大らをはじめ、なかなか整いませんでした。

 それと、今シーズンは甲子園での戦いが特に苦しくなっています。僕らの現役時代もそうですが、甲子園はほとんどが阪神ファンで、異様な雰囲気ですからね。原辰徳監督時代(当時、篠塚氏は打撃コーチ)には、「甲子園で勝たなきゃいけない」ということで、それにちなんだスローガンみたいなものもありましたし。ああいうアウェーのなかでも勝っていかないと苦しくなりますよね。

――阪神は、ドラフトで獲得した大卒の野手(大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太)や社会人出身の野手(近本光司、中野拓夢)がレギュラーに定着し、ここ数年のシーズンを戦えています。

篠塚 そのときどきの阪神の首脳陣が、けっこう我慢して使っていた部分もありますしね。それが大事だと思いますし、そのなかでいろいろなことを経験しながら結果を出してきた、ということだと思います。"我慢して使い切る価値のある選手"をドラフトで獲ることが大切だと、あらためて思わされますよね。

 巨人も、浅野翔吾や石塚裕惺ら、将来性を見込んで高卒の選手を獲ることも大事ですが、即戦力のスラッガータイプの選手に注目してみるのも一考かもしれません。そのあたりは編成がいろいろ考えていると思いますけどね。巨人は特に外野手ですよ。

――篠塚さんは、外野手が課題だと以前から指摘されていますね。

篠塚 丸も36歳ですし、外国人選手に頼り続けるわけにもいきません。浅野などは使い続けてもいいと思いますけどね。我慢に我慢を重ねて使っていけば、いい選手になっていくんじゃないかなと。使い切ることで、選手は経験して成長していくわけですから。

 9月に入って1軍の試合に出始めた、昨年の高卒ドラ1の石塚はファームで結果を残しているようですが(54試合出場、打率.325、3本塁打、23打点)、将来のために1軍で慣らしていくのもありでしょう。

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