巨人・小林誠司が若手の手本として歩む36歳の現在地 「どんな場合でも、自分のやるべきことは必ずある」 (3ページ目)
たしかに、出場機会は激減している。しかし、だからこそ彼が出場する際の「小林コール」は球場を揺るがすような迫力に満ちている。そんなことを指摘すると、照れたように小林は笑った。
「岡本(和真)が復帰したら、すぐにかき消されてしまいますよ(笑)」
この日、一番の笑顔を見せて、小林は言った。
【自分のやるべきことは必ずある】
セ・リーグは現在、阪神タイガースの独走状態が続いている。リーグ連覇を目指すジャイアンツは必死に食らいつく。ファームで汗を流す小林もまた、まだまだ首位奪取を目指して懸命に汗を流している。
「まだまだ阪神のあとをついていきたいと思います。下位チームとの差も少しずつ縮まってきているけど、下を見るよりは上を向いてやっていきたいです。チームとしては若い選手にもっともっと出てきてほしいし、そのなかで、僕自身も少ないチャンスをモノにして、しっかりと結果を出していく。試合に出ていない時も、自分の役割をきちんと見つけて、しっかりバックアップしていく。どんな場合でも、自分のやるべきことは必ずありますから」
やはり、ここでも「若手の奮闘に期待したい」という小林の姿勢が透けて見える。自身のことよりも、チームのこと、若手のことを最優先に考える姿が強く印象に残るインタビューが続く。あらためて、後半戦への意気込みを聞くと、その表情がさらに引き締まる。
「いい時も、悪い時も、ファンのみなさんからの声援はハッキリと聞こえています。今はタイガースにちょっと離されているけど、少しずつゲーム差を縮めて、『絶対にひっくり返してやるぞ』という強い気持ち、あきらめない気持ちは全員が持っています。若い選手も台頭してきて、これからチームはもっともっと強くなります。その姿をぜひ見ていただいて、これからもジャイアンツを応援してください」
やはり、最後まで「若手の台頭」を期待する発言が続いた。自身の成績を追い求めつつ、同時に若手選手たちの奮闘、成長にも期待する。それが、2025年シーズン、小林誠司の現在地なのだろう。試合開始が近づいてきた。インタビュー終了間際、小林は言った。
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