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新庄剛志監督が導く日本ハムの強さの理由を飯田哲也が解説 「受け継がれる野村イズム」と「似て非なるチームづくり」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 野村監督は阪神時代、「地位が人をつくる」と新庄さんを4番に置き、キャリアハイの成績(打率.278、28本塁打、85打点)に導きました。

飯田 現状よりも少し上のポジションを与えると、人はそれにふさわしくなろうと努力精進するものです。新庄監督も同じように、野村佑希を4番に指名し、金村尚真を開幕投手に抜擢しました。そのような起用を見ると、野村監督から少なからず影響を受けていると思います。

── その野村佑希選手ですが、万波中正選手、清宮幸太郎選手とともに"ロマン砲"と呼ばれ、5月6日のオリックス戦では3人がホームランをマークしました。

飯田 チーム本塁打数は2022、23年とリーグ4位でしたが、今年はここまで(7月22日現在)12球団トップです。開幕投手に指名された金村も、開幕戦でのプロ初完封勝利を含む3完封と期待に応え、伊藤大海と並ぶ主力投手に成長を遂げています。

── 野村選手も金村投手もすっかり投打の中心に飛躍しましたね。

飯田 清宮も同じです。プロ入り後は伸び悩み、4年目の2021年は一軍出場なしに終わりました。そんな清宮に就任したばかりの新庄監督は「ちょっとデブじゃね? やせたほうがモテるよ。カッコいいよ。昔のほうが、キレがあったから打球も伸びた」と言いました。

── たしかに清宮選手はシュッとして、スイングにキレがある印象です。

飯田 体重が100キロを超えていた清宮は、「このままでは使ってもらえない」と危機感を抱き、体を絞って臨んだ2022年は18本塁打。昨年は規定打席に到達はしませんでしたが、打率.300、15本塁打の成績を残しました。正しい方向性を指示して、自覚を促しました。そこに合わない選手が脱落していくのは、野村野球に似ていますよね。

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