西武の新助っ人タイラー・ネビンが語る日本野球の難しさ 「同じ投手が3通りの打ち取り方をしてくる」 (4ページ目)
ビジターゲームには妻も一緒に行き、大阪遠征の際には奈良公園を訪れて、お辞儀する鹿を見るなど私生活も満喫している。日常生活に潜む"違い"も、外国人ならではの興味深さだと語る。
「もちろん言葉の壁はあるけど、少しずつ覚えているよ。スーパーマーケットでの"ルーティン"も確立中だ。『袋はいりますか』と言われて何のことかわからなかったけど、支払いをする時に最初に聞かれることだとわかってきた(笑)」
日本で対戦して最もよかった投手を質問した際も、ネビンの観察眼が伝わってきた。
「今井(達也)かな。春季キャンプで対戦した時から、日本でこれまで見たなかでベストピッチャーだと思う。彼がチームメイトでよかったよ。速い球を投げるし、スライダーもフォークもいい。加えて、頭もいいよね。試合全体を踏まえたプランを持っている。登板する日は頭の中で『今日は90球投げる』と考えて、同じ打者に違う攻め方を何度もしていく。とても頭が良く、才能を備えている。ここまで活躍しているのもよくわかるよね」
将来、MLBで活躍できるだろうか。
「間違いない。今季、ライオンズでのプレーに集中していることはわかっているけど、可能性は間違いなくあると思う」
今季の西武は今井を筆頭に、隅田知一郎、若手左腕の菅井信也、勝ち星に恵まれないながらも好投を続ける髙橋光成など、先発投手の力が光っている。打線が効果的に得点できれば、勝てる試合は増えていくはずだ。
そこでキーマンになるひとりがネビンだ。
「(4月中旬の北海道や大阪では)いい感じの試合もあった。でも、シーズンはそういうものだ。それまでも調子がよくなかったわけではない。野球にはそういう流れがつきものだからね。いい球が来た時、打ち損じをしないようにする。この前はそれができた。甘い球を見逃さず、強く打ち返していくことが、いつも行なおうとしていることだ」
自分をうまくコントロールする術を知り、観察眼に優れるネビン。シーズンが進んで各投手との対戦が増えていった時、持てる力をどこまで発揮できるか。
今はまだ平凡な数字しか残っていないが、その真価が問われるのはこれからだ。
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著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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