西武の新助っ人タイラー・ネビンが語る日本野球の難しさ 「同じ投手が3通りの打ち取り方をしてくる」 (3ページ目)
だが、開幕直後はレフト方向への安打が多かった。その点を質問すると、「少ないサンプル数で判断するのは簡単だけど、シーズンが進むにつれ、もっとはっきり見えてくると思う」と返ってきた。
もっともな指摘だ。上記の質問をした18日のソフトバンク戦から4試合続けてセンター方向にヒットを放った。
ネビンと話して伝わってくるのは、頭の回転の鋭さだ。自分のなかで物事をどう捉え、他者に説明する際にはどう表現すればいいのか。即座に最適解を導き出しているように感じられた。
たとえば、"助っ人"という立場についてだ。現在の西武は打撃に課題を抱え、外国人選手にかかる期待が大きい。おもにクリーンアップで起用されていることから、ネビンに託される役割が伝わってくる。
「打順が上になると、期待はかかるものだ。誰であれ、どのチームであれ、それは変わらない。だから、そうした期待を寄せられることを誇りに感じているよ。でも、毎日やるべきことをやるだけだ。たとえ7番打者でも、二塁に走者がいたら、ヒットで生還させることが求められる。とにかく試合に集中して、できる限りチームに貢献したい」
外国人枠のないMLBと異なり、NPBで同時出場できる外国人野手は3人に限られる。ネビンは打線に唯一の"助っ人"という日もあるが、プレッシャーは感じていないのか。
「正直、自分に最もプレッシャーをかけているのは自分自身だ。いつも自分に多くを期待している。それに、チームを助ける存在と見てもらえるのは光栄なことだ。でも自分にはすでに厳しくしているから、できるだけ外の声は気にしないようにしている。みんなが自分に多くの期待をしていることは、十分わかっているからね」
【日本に来て驚いたこと】
ネビンにとって、異国で暮らすのは人生二度目だ。最初は2022−23年シーズン、ドミニカのウインターリーグでプレーした。
「体調を崩してたった3週間で帰国することになった。それが外国人選手として初めての経験だ。日本でも(ドミニカと)似たような点はあるけど、違いのほうが大きい。ここでの時間を楽しんでいるよ」
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