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【プロ野球】清水直行が吉井ロッテの3年目を分析 ドラフト1、2位コンビがもたらした競争と期待の投手を語った (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【先発で期待の若手、リリーフで「一番大事」な投手は?】

――ピッチャーについてもお聞きしますが、まず先発陣はいかがですか?

清水 新外国人選手から言うと、オースティン・ボスはある程度の結果を出しているので、少しずつ信頼を得られてきたかなと。速いスライダーと遅いスライダーがありますし、キレがあるので武器になっています。

 一方でブライアン・サモンズは、バッターを抑えるパターンを確立できておらず、毎回ピッチングで苦しんでいる印象です。どの球でカウントを取って、どの球でファウルを打たせて......というのが見えてこないんです。

――ボス投手は先発ローテーション枠に入ってくる?

清水 入ると思います。あと期待しているのは、3年目の田中晴也です。オープン戦で徐々に長いイニングを投げていますが、いずれも成長を感じるピッチングを見せてくれていますし、個人的にはローテーションで頑張ってもらいたいピッチャーです。2年目の木村優人も成長著しいですし、シーズンのどこかで出てきてほしいです。

――リリーフ陣はいかがですか?

清水 一番重要な存在は鈴木昭汰です。彼にブレーキがかかると、今季からロッテに復帰したタイロン・ゲレーロ頼みになってしまうので。今季は鈴木が8回、もしくは9回もけっこうな割合で投げるんじゃないかと予想していますし、ゲレーロが8回を投げてくれたら、9回を鈴木に任せられます。昨季は8回を任せられるピッチャーがいなかったので、鈴木が8回を投げるしかなかったんです。

 リリーフ陣は頭数が揃っていてどのピッチャーにも期待はしていますが、僕のなかで勝ちパターンとして主に決まっているのは、現状では鈴木とゲレーロ、国吉佑樹、横山陸人、益田直也くらいまで。ロッテのストロングポイントはピッチャー陣ですし、リリーフ陣をうまくやり繰りできれば安定した戦いができると思います。

(後編:パ・リーグ順位予想 戦力充実の上位3チームは「優勝を狙える」>>)

【プロフィール】
清水直行(しみず・なおゆき)

1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝(旧・東芝府中)から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの中核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年のシーズン後にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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