【プロ野球】巨人の新エース候補・井上温大インタビュー 内海哲也の助言による飛躍と、日本一への決意 (2ページ目)
【マウンドで味わった「見透かされている」ような感覚】
プロ入り後は左肘手術の影響もあって、一時は育成選手契約も経験するなど、4年間で一軍登板はわずか11試合。しかし、昨年の交流戦(5月30日・対ソフトバンク)で中継ぎとしてシーズン初勝利をつかむと、6月に先発ローテーション入り。主力選手の疲労が蓄積し始める後半戦では、10試合に登板して5勝(1敗)、防御率1.94の安定した投球を披露し、前年に日本一になった阪神や、DeNA、広島を振り切ってのリーグ優勝に貢献した。
「マウンドでは、ストライクゾーンを9つのマスに分けて考えるようにしていて、昨年の前半戦は低めの3マスに投げ込むことを心がけてマウンドに上がっていました。でも、登板を重ねていくにつれて、2ストライクに追い込んだ時には『ストライクゾーンで勝負してはいけないな』と思うようになったんです。そこから、コントロールに注意を払いつつ、低めの3マスのさらに下のゾーンに変化する球種を投げることを意識するようになりました」インタビューに答えた井上 photo by Shiratori Junichiこの記事に関連する写真を見る
そうして白星が増えていく一方で、相手打者たちの変化も感じていたという。
「登板を重ねるにつれて、三振を奪えていた決め球を相手打者に見逃されて、カウントを悪くしたり四球を出してしまったりする場面が増えていきました。蓄積されたデータ分析によって、投球が見透かされているような感覚を味わいましたね」
ただ、目の前の状況にやや戸惑いながらも、井上は「先発として試合を作るため、大量失点は避けないといけない」という思いでマウンドに上がり続け、勝利を手にしていった。
「今年はなんとしてもリーグ連覇と、逃してしまった日本一を成し遂げたいです。そのために、ストライクゾーンの外に変化していくボールの精度を上げていきたいと思っています。そして、1年間しっかりローテーションを守って、規定投球回数の到達と2桁勝利を目指さなければいけないと思います」
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