広岡達朗が語る村上宗隆と清宮幸太郎への期待と不安 「打率2割4分台でメジャー挑戦なんて馬鹿げている」「監督が新庄じゃなかったら...」 (2ページ目)
村上がその攻めに対応できるかどうかはやってみなければわからないが、オリックス時代に二度の首位打者を獲得し、7年間の通算打率.327の吉田正尚(レッドソックス)でさえ、1年目こそ140試合に出場し、打率.289(リーグ5位)、15本塁打、72打点と健闘したが、2年目の昨季は108試合の出場にとどまった。
その理由のひとつとして、球団が求める数字に達していないこともあるが、守備での貢献度の低さもある。昨季はおもにDHでの出場で、外野の守備についたのはわずか1試合だけ。吉田にもう少し足と肩があって、守備範囲が広ければもっと高い評価を受けていたはずだ。村上にしても、ただ打つだけじゃなく、それ以外の部分も必要になってくる。
「村上のポジションはサードだが、2021年から3年連続最多失策を記録し、昨年も15失策。お世辞にもうまいとは言えないどころか、下手な部類に入る。外野に転向とか言われているが、外野手のレベルは日本とは比べものにならないほど高い。どのポジションにつくのか、現時点ではわからないが、相当苦労するのではないか」
かつてマニー・ラミレスや松井秀喜が、外野でワーストグラバーに選ばれたことがあったが、ラミレスはホームラン王争いするほどの長距離砲だったし、松井にしても100打点を稼ぐクラッチヒッターとして重宝された。
つまり、守備に不安のある村上がレギュラーとしてやっていくには、打撃タイトルを獲得するほどの成績を残さなければいけないわけだ。
昨シーズン、規定打席未到達ながら打率.300を記録した日本ハム・清宮幸太郎 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る
【清宮幸太郎の変化】
一方の清宮は、7年目の昨季、キャンプ前に左足首を負傷し二軍スタート。4月中旬に一軍昇格を果たしたが、思うような結果を残せず5月上旬に二軍降格。この頃はメディアでも、環境を変えることが清宮にとって一番の良薬といったように、トレード候補に挙がっているという報道がなされていた。
ファームで調整後、6月に再昇格し、しばらくは打率1割台と低迷していたが、7月9日の西武戦でバックスクリーンに今季第1号を放つと、月間打率.383、3本塁打と活躍。8月も打率.320、7本塁打と好調を維持。最終的に規定打席には到達しなかったが、打率.300、15本塁打、51打点の数字を残し、チーム6年ぶりAクラス(2位)入りに貢献した。
2 / 3