【侍ジャパン】プレミア12に挑む若き投手陣 なぜ井端監督は「一番驚かされたピッチャー」として北山亘基の名前を挙げたのか? (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 山本はウエイトトレーニングをせず、やり投げやブリッジなど独特なトレーニング法で心身をつくり上げている。そのベースにあるのがBCエクササイズで、全部で300種類以上ある(詳細を知りたい人は拙著『山本由伸 常識を変える投球術』やPrime Videoの『山本由伸 独占密着:MLBへの挑戦』シーズン1エピソード2を参照)。

 北山は京都産業大3年時、矢田トレーナーに出会った。山本と違うのは、プロ2年目までほかのトレーニングも併用していたことだ。プロ入り1年目のシーズンオフには、アメリカのトレーニング施設『ドライブライン』にも訪れている。

「(データ解析に基づくトレーニングが)プロの世界でベーシックになりつつある方向性になってきたなと、学生時代から感じていました。実際、プロでそういう取り組みをされている選手もたくさん見て、何をもってそうしているんだろうというのをまず見ないといけないなと思いました。自分がそれをやるにしても、やらないにしても、知ったうえでどっちか判断したいと思ったので、シアトルに行ってひととおり見させてもらいました」

 ドライブラインでよく知られるのは、プライオボールと言われる重いボールを投げるトレーニングだ。ドライブラインのメソッドをリカバリーやウォーミングアップに取り入れる選手もいて、北山は「すごくシンプルで、わかりやすい」と感じた。

 だが自分のこれまでの取り組みを考えると、「BCエクササイズのほうが、つながりが多いのでは」と北山は思ったという。

「ウエイトトレーニングを含め、ほかのエクササイズやトレーニングなど自分で見つけられる範囲は全部やってみて、いろいろ共通点が見えてきました。体をうまく動かして、自分の理想の動きを求めたいというのが根本にあると思います。それぞれに目指すべきところは最後、集約されてくると思うんですよ。そこに対して一番シンプルで、何の複雑性もなく、突き進んでいけるのが、今やっている取り組み(BCエクササイズ)だと思います。そこにすべてをかけてやるのが一番かなという結論に、去年なりました」

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