【日本シリーズ2024】ソフトバンクが日本シリーズ14連勝 山川穂高が明かした「先制アーチの舞台裏」 (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro

 第2戦の先制ホームランの場面。追い込まれるまでの3球はツーシーム、スプリット、ストレート。打ったカーブは初見だった。

「カーブは、ストレートを待って打つのが難しい球。ストレートを右中間ぐらいに打つというか、少し引きつけるぐらいの感じを持っていると対応しやすくはなります。打つのが難しい球のひとつだと思いますけど、あのカウントだったので、フォーク(スプリット)も頭に入れながら、対応できたかなと思います」

【日本シリーズ14連勝に貢献】

 また、短期決戦ならではの1打席勝負のマインドセットは、気持ちの切り替えにも役立っている。

 CSファイナルで大活躍した山川だったが、日本シリーズ第1戦は沈黙した。遊ゴロ、空三振、空三振。4打席目に四球を選んで出塁したものの、3打数無安打に終わっていた。

 取材のなかで、期するものがあって第2戦に臨んだではないかという質問が飛んだ。山川は笑ってそれを否定した。

「何も変えてないっす。頭の整理だけですよ。映像で振り返ったり、自分のフィーリング的にも、スイングの鋭さとか全然悪くなかったように感じた。最後のフォアボールも、自分のなかでは感触が悪くなかった。このままでいいなって感じで、今日もできました」

 なにより、自身が打てなくともチームが第1戦も勝利したことが、大きな心の拠りどころになったという。

「レギュラーシーズンもチームの勝利はもちろん大事で、それが一番なんですけど、やっぱり個人成績のことも大いに頭に入れています。だけどクライマックスとか日本シリーズでは、頭に入れてないですね」

 第1戦の打席を見る限りでは、もしかしたら"逆シリーズ男"になってしまうのではないかと妙な胸騒ぎがしたが、まったくの杞憂だった。第2戦は先制2ランホームランの後も左前打、左前適時打を放って4打数3安打3打点と好結果を残してみせた。

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