【日本シリーズ2024】DeNA梶原昂希、師匠の前で見せた「成長」 新スタイルでとらえたオスナの速球 (5ページ目)
【マインド的にはこっちに分がある】
その後、続く森敬斗の打席で、梶原が投球間に隙を見てセカンドに進塁。森がレフト前へヒットを放ち、梶原が生還し2点目を入れ、さらに代打の筒香嘉智がライト前へヒットを放ち、相手のミスもあって、二死から3−5まで追い上げた。しかし、怒涛の反撃もここまで。DeNAは初戦を落としてしまった。
だが、試合後のハマスタやベンチのムードは、追い上げもあってか敗戦によってネガティブな空気が垂れ込めている様子はなかった。誰もが「明日につながる」と感じていたに違いない。
この試合でよくも悪くも起点になった梶原は顔を上げて言うのだ。
「初戦を落としてしまいましたが、CSファイナルステージでも(相手に)アドバンテージ1があるなかの戦いでした。そこを勝ち抜いてきているので、マインド的にはこっちに分があるんじゃないかと思っているんです。厳しい戦いを勝ち抜いてきた強みを活かしながら、今後も戦っていきたいですね」
打撃力が自慢のDeNAではあるが、ポストシーズンはタイトな戦いが続くこともあり破壊力あるクリーンナップが機能することが少ない。そういう意味でやはりカギになるのは梶原などの脇を固める若い打撃陣だ。
はたして前日の勢いそのままに第2戦を戦うことができるのか、DeNAの奮起に期待したい。
著者プロフィール
石塚 隆 (いしづか・たかし)
1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住
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