【日本シリーズ2024】攝津正が解説するDeNAバッテリーが悔やむ1球 二死満塁で有原航平への3球目はなぜ甘く入ったのか (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

── ジャクソン投手のデキはどうでしたか。

攝津 適度に荒れていた分、ソフトバンク打線は的を絞りきれず、ボール球にも手を出していました。たしかに、ジャクソン投手はストレートが速く、チェンジアップ、カーブを使ってうまく緩急をつけていました。ただ、ソフトバンクの攻撃で気になったのは初回の攻撃です。柳田悠岐選手が四球で出て、つづく周東佑京選手が2球目を打つも外野フライに倒れました。ここは、ベンチからすれば内野ゴロでランナーを進めてほしい場面。最低でも、柳田選手と周東選手が入れ替わる形にしたかった。結局、つづく今宮健太選手の打席で、柳田選手が盗塁を試みるも失敗。チャンスは潰えました。

── 立ち上がり不安定だったジャクソン投手を助けてしまったと?

攝津 もっとうまく攻めていたら、違う展開になっていたのかなと。2回にああいう形で先制できましたが、ソフトバンクとしては上位でチャンスをつくり、中軸に回すシチュエーションをつくりたかった。ジャクソン投手の立ち上がりがよくなかっただけに、もったいない攻撃でした。

── 一方、ソフトバンク先発の有原投手は、7回を投げて4安打無失点と好投しました。

攝津 どの球種もしっかり投げることができていましたし、投げミスが少なかったですよね。なかでも感心したのは、DeNA打線に低めのボール球を見極められる場面があったのですが、それでも徹底して低めに集めていたことです。ピッチャーとしては、低めの球を見られると、どうしてもゾーンを上げてストライクを取りにいこうとしてしまう。でも有原投手はゾーンを上げることなく、低めにボールを集めた。調子自体もよかったと思うのですが、冷静なピッチングでしたね。

── DeNA打線は、最後まで有原投手を攻略できなかった?

攝津 打ってもファウルにしかならないコースを突いてカウントを稼ぎ、ストライクからボールになる変化球で仕留める。とくにチェンジアップとフォークはよかったですね。DeNAからすれば、投球パターンはわかっていたと思うのですが、コントロールミスがないから捉えられない。緩急の使い方もうまく、DeNA打線は微妙にタイミングをずらされていました。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る