【ドラフト2024】若手急成長中の日本ハムに必要なのは華 「清原ジュニア」も候補に (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 先発候補、いやエース候補として英才教育を施してきた達孝太が、今季イースタンリーグの後半戦でようやくその才能を見せ始め、育成出身で今年3月に支配下登録され12試合に先発した福島蓮の台頭もあったが、この先のことを考えるとちょっと心許ない。

 現有戦力を考えたら、今年は高校生中心の「未来型ドラフト」でもいいのではないだろうか。

 器の大きさ、搭載エンジンの排気量で、今朝丸裕喜(報徳学園/投手/188センチ・80キロ/右投右打)をいきなり1位で行く手もある。今年春のセンバツでの圧倒的球威とマウンドでの支配感は高校生離れしていた。威力あるストレートと縦の変化球も一級品。夏の甲子園では大社高校に足元をすくわれ初戦で敗退したが、素材は間違いなく1位の器だ。

 今年パ・リーグ2位の日本ハムは、ウェーバーとなる2位指名は9番目になる。ここは迷いなく、もう一枚「将来型」の選手を獲っておきたい。

 今夏の栃木大会で1試合19奪三振、作新学院戦でも1失点、12奪三振の好投を見せた堀江正太郎(文星芸大付/投手/187センチ・81キロ/右投右打)でどうだ。常時140キロ台前半の速球と、高速カットボールはベース付近で勢いを増す生きた球質。強く投げようとしすぎないからゾーンも低く、実戦力の高さも頼もしい。

 もし堀江が先に指名されたら、茨木佑太(帝京長岡/投手/187センチ・92キロ/右投右打)がいる。堀江以上の雄大な体躯に、打者を観察しながら投げようとするクレバーさなど、伸びしろは大いにある。

【地元・北海道の逸材たち】

 若手選手たちがじわりじわり実力を挙げている日本ハムで、チームにほしいのは"華"かもしれない。

 8月末に行なわれた「オール東京六大学」の一員として、プロ入り前に挨拶代わりの一発をエスコンフィールドの外野スタンドに放り込んだふたりの選手を紹介したい。

 印出太一(中京大中京→早稲田大/捕手/185センチ・91キロ/右投右打)は、主将として春のリーグ戦優勝と全日本大学選手権準優勝を飾るなど、リーダーシップを発揮。捕手登録のアリエル・マルティネス、古川裕大、郡司裕也は実質"内野手"だから、田宮がレギュラーマスクを獲得し、伏見寅威、進藤勇也がいても、まだまだ手薄な捕手陣。印出は捕手だけど、本質は"バットマン"である。

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