【ドラフト2024】地元に超有望選手が目白押し 広島が獲得したい実力と人気を兼ね備えた逸材たち (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 その一方で、打線はチーム打率.238、52本塁打(ともにリーグワースト)、415点(リーグ5位)。現状を鑑みて、今年は「バットマンだろう!」となりそうだが、アマチュアの強打者がひとり、ふたり加わっただけで急に「強力打線」になるほど、プロの世界は甘くない。

 ならばバットマンは、今季ファームで鍛えられた田村俊介、ウエスタンリーグ5位の打率を残した佐藤啓介らのさらなる飛躍に期待しながら、FAやトレード、新外国人補強に力を注いでもらうことにして、強力投手陣を一段と盤石なものにレベルアップさせるほうが現実に合っているのでは......と思ってしまう。

 投手たちも生身の人間である。今季の"奮投"が来季もできるとは限らない。投手に消耗は付きものである。

【アマ球界ナンバーワン遊撃手】

 しかし多くのカープファンが望んでいるのは、「打線強化」であることも事実である。こんなに焦点の定まらないカープのドラフトは珍しいが、こうなれば「投打両面作戦」でどうだろうか。

 まず、すでに1位指名を公表している、宗山塁(広陵→明治大/遊撃手/175センチ・79キロ/右投左打)。完璧なフィールディングと高精度な広角打法、さらに甘いマスクと明治大のキャプテンとして部員をまとめたリーダーシップも兼備している。

 だが、今年はショート・矢野雅哉の台頭があった。今季のカープ投手陣は、矢野にどれほど助けられたことか。菊池涼介との二遊間コンビは、今や球界ナンバーワンと言ってもいいだろう。課題だったバッティングも、試合を積むごとにしぶとさが増した。必死に練習して奪い取ったポジションだけに、矢野も簡単に譲るわけにはいかない。

 しかし、地元にこんなスター候補生はそう出てくるわけではなく、今年の1位は宗山しかいない。

 1位に宗山、2位で渡部聖弥(広陵→大阪商業大/外野手/177センチ・88キロ/右投右打)なら座りがよく、誰も文句はないだろう。

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