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巨人12年ぶりの日本一へ 阿部慎之助監督の期待に応えた「3人の若手」がチームに勢いをもたらした (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi

「そこまで三振を狙っているわけではありませんでした。球数が多くなってしまいましたが、見せ球をうまく使えたと思っています」と自身の投球を振り返った井上に対して、阿部監督も「序盤はコントロールに苦しみましたし、球数数が多かったけど、試合を作ってくれたので100点です」とご満悦だった。

 試合中、阿部監督からは「『ただキャッチャーのサインに頷くだけではなく、たまにはわざと首を振るとか、いろいろと工夫をしながら投げたほうがいい』とアドバイスされた」という。そんな指揮官の起用に、見事な投球で応えた。

 菅野智之がメジャーリーグへの挑戦を発表したが、杉内コーチが「今季、一番成長した」と語る井上は、ここからエースへの階段を駆け上がることができるだろうか。

【浅野翔吾は「ミスを恐れず積極的に」】

 野手陣も、若き才能たちが花を咲かせつつある。その筆頭が、高松商業高校から2022年のドラフト1位で巨人に入団し、2年目のシーズンを過ごす浅野翔吾だ。

 9月27日の中日戦では「普段からお世話になっていて、互いに刺激を受け合う存在」だと話す門脇誠、中山礼都とともに7番ライトで先発出場。4番・岡本和真の通算1000本目安打となるタイムリーヒットで先制した6回、1死満塁の場面でこの日3度目の打席を迎えた。

 阿部監督に胸を叩くジェスチャーを見せられて送り出された浅野は、梅津晃大から9球粘った末に押し出しの四球を選んで追加点をもぎ取りガッツポーズを見せた。その場面については「たぶん『気持ちで負けるなよ』という仕草だったと思いますが、その気持ちをしっかり受けとめて打席に立った」と振り返った。

「四球でもヒットでもいいので、どうにかして追加点がほしかった。ここ最近は守備のミスでチームに迷惑をかけているので、何とか点を取れて嬉しかったです」

 確かに守備面ではミスが出ていた。9月21日の広島戦では、浅野の後逸を機に逆転負けを喫し、試合後は涙に暮れた。さらに雨天のなかで行なわれた25日の横浜DeNA戦では、4番オースティンの右飛の目測を誤り、足を滑らせて転倒し、三塁まで進塁されている。

「試合に出られない時は、悔しさを感じつつも、先輩方のプレーを見ながら自分が直さないといけない部分を探しています」

 2試合ぶりに先発で起用された27日の試合前には「全員の前で『ビビらずにやれ!もう一度コケてこい!』と阿部監督に発破をかけられ、気持ちが楽になった」と話す。浅野はそれに応え、3打数1安打、1四球、1打点の活躍。「ミスをしましたが、これからもミスを恐れず積極的にプレーしたい」という言葉どおり躍動した。

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