【ドラフト2024】楽天が獲得したい「浅村栄斗の後継者」 チーム力向上へ外野手育成も重要課題 (3ページ目)
ほかにも、走攻守の三拍子なら今坂幸暉(大阪学院大高/遊撃手/178センチ・80キロ/右投左打)、石見颯真(愛工大名電/遊撃手/174センチ・70キロ/右投左打)。強肩・強打なら岸本佑也(奈良大付/遊撃手/180センチ・85キロ/右投左打)、快足なら萩原望安(戸畑/遊撃手/174センチ・65キロ/右投左打)。それぞれタイプは異なるが、好素材は何人もいる。
【外野手育成も重要課題】
育成の外野手がふたり戦力外になり、若手は武藤敦貴(5年目)、吉野創士、前田銀治(ともに3年目)の進捗状況を見ると、外野手も2、3人ほしい。
快速と広い守備範囲なら、飯山志夢(中央学院高→立正大/外野手/178センチ・81キロ/右投左打)と麦谷祐介(大崎中央→富士大/外野手/180センチ・83キロ/右投左打)が候補に挙がる。飯山は、ヒットになりそうなボールだけを捉えるシュアさと選球眼を備えており、麦谷はやや粗削りだが"長打力"という武器を持つ。
大砲候補なら井上幹太(神村学園→金沢学院大/外野手/185センチ・96キロ/左投左打)だ。途方もない長打力は、きっとファンの歓喜させるに違いない。小柄だが、寺本聖一(広島商業→広島経済大/外野手/170センチ・85キロ/右投左打)は鍛え抜かれたヘラクレス級の体躯から長打を連発し、俊足・強肩も魅力。全国的に無名でも、能力満載の隠し玉的存在だ。
そういえば、高校生捕手も随分と獲っていない。とはいえ、そうそう絶好の素材がいるわけではない。だが今年は、総合力に優れた箱山遥人(健大高崎/捕手/177センチ・84キロ/右投右打)がいるが、上位で消える可能性もある。
そうなれば大学生に目を移して、誉田貴之(福岡工大城東/捕手/178センチ・84キロ/右投右打)を獲るものもありだ。強肩と強靭な体躯なウリの選手だったが、4年になって実戦力を上げ、レフト方向へ長打、ライト方向にも強い打球を飛ばせる技術が加わっている。まだまだ伸びしろを感じるだけに、これからの成長に期待できる選手だ。
著者プロフィール
安倍昌彦 (あべ・まさひこ)
1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。
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