パ・リーグの新人王候補は? 高木豊が挙げる有力投手3人と、今後に期待の野手 (2ページ目)
【野手は爽籟に期待の選手は多いが......】
――野手はいかがですか?
高木 セ・リーグ同様、野手で新人王を狙えるような成績を残している有資格者は、今季はいません。ソフトバンクの川村友斗(79試合出場、105打数26安打、打率.248、0本塁打、9打点、3盗塁)や、オリックスの大里昂生(42試合出場、131打数29安打、打率.221、2本塁打、7打点、3盗塁)は、センスや伸びしろを感じますが、試合結果につながることが少なく、出場試合数が全然足りません。
やはり100試合ぐらいは出てくれないと......と思いますが、(最近のプロ野球では)ひとつのポジションを複数の選手で回すことが多いのも、出場試合数の少なさの理由かもしれませんね。
――パ・リーグの新人王有資格者のなかで打席数が多いのが、西武の山村崇嘉選手(58試合出場、201打数44安打、打率.219、2本塁打、23打点、1盗塁)ですが、どう見ていますか?
高木 内角のボールをさばくのがなかなかうまいですし、長打力も秘めています。バットコントロールに非凡なものを感じますが、いい時と悪い時のギャップがあるというか、安定して力を発揮できない。まだまだ技術が足りないと言えばそれまでですが、今後の成長が楽しみな選手のひとりです。
――将来的に、高打率を残せるタイプですか?
高木 バットコントロールがいいので、打率の高いバッターを目指せると思います。ただ、現状では長打を打つことの魅力を捨てきれていない感じがしますね。本質的には「本塁打を狙ったら二塁打どまりだった」ではなく、「二塁打を狙ったら、たまたまスタンドまで届いた」みたいなタイプだと思うんです。
これは、山村に限ったことではありません。たとえば、アマチュア時代に長打を打てていたバッターでも、プロになると打てない選手は多いんです。つまり、自分がプロの世界で生き残るために、どういったタイプのバッターになるべきかを早い段階で見極めて、自分の打撃スタイルを追求して確立していくべきです。
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