阪神の球団初の連覇の可能性は? 赤星憲広が「アレンパ」のキーマンとして挙げたふたりの選手 (2ページ目)
── 昨年に関しては、各選手のポジションを固定し、コンバートもありました。
赤星 岡田監督は評論家時代から、当時ショートを守っていた中野拓夢について「セカンド向きだ」と言っておられました。それが見事にはまって、中野は10年連続だった菊池涼介(広島)の牙城を崩し、ゴールデンクラブ賞に輝きました。岡田監督が「野球を知っている」というのは、そういう選手の能力を見極める力です。
ファームの試合を直接見に行って、監督やコーチの推薦する選手以外で、成績は出ていなくても「この選手ええやないか」と引き上げる目です。今季の森下翔太や前川右京、野口恭佑らの一軍昇格のタイミングは、すばらしいものがありました。
【近本光司の出塁率がカギになる】
── 今季のセ・リーグは、激しい首位争いを繰り広げています。球団初の2連覇を目指す阪神は3位です。残り20試合ほどですが、投手陣のキーマンは誰になりますか。
赤星 昨年8勝だった才木浩人が奮闘して、ここまで11勝3敗。その一方で、昨年最優秀防御率のタイトルを獲り、MVPに輝いた村上が途中5連敗を喫するなど、ここまで6勝9敗と苦しんでいます。ただ、防御率は2.42と決して悪いわけじゃありません。村上に勝ちがつくようになれば、まだまだ巻き返せると思います。
── 野手陣のキーマンは誰になりますか。
赤星 "投高打低"のシーズンとはいえ、序盤は主力打者の打率が軒並み2割5分以下と苦しみました。ここにきて各選手とも状態を上げてきましたが、やはり阪神打線の中心は近本光司だと思います。
── 今季は4番を任されることもありました。
赤星 調子が上がらなかったのはいろんな打順を打たされたからだという意見もありましたが、彼の実力からすればそんなことは関係のないことで、常に3割を打ってもらわないといけない打者だと思います。まずは出塁率アップですね。そうなれば自然と盗塁する機会も増えてくるでしょうし、昨年のように機動力を絡めた攻撃ができると、得点力は上がってくるはずです。
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