高木豊がさらなる飛躍を期待するパ・リーグの若手4選手 勝負強いソフトバンクの新6番、西武のエース候補も (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――ほかに注目している野手はいますか?

高木 ソフトバンクの正木智也(3年目)は勝負強いですね(得点圏打率.471)。6月21日からスタメンで起用されるようになり、今はクリーンナップが強力なソフトバンクの6番に固定されつつあります。相当な精神力がないと打てない打順ですし、そこで結果を出しているということは、やっぱり非凡なものがあるんじゃないかと。

※8月14日時点の成績・・・43試合、打率.316、出塁率.354、2本塁打、19打点、1盗塁

――長打率も.471と高く、大砲候補としても期待ですね。

高木 そうですね。ただ、無理にホームランを狙う必要性はないです。ソフトバンクはほかにホームランを打ってくれる選手がいますから。かつて、巨人時代の中田翔(中日)も「(日本ハムから)巨人に行って楽になった」と言っていました。周りがホームランを打ってくれるから、求められていることが違うんだと。それと同じで、正木もたまったランナーを還したり、ランナーがいない時は出塁に徹したり、つなぎの意識を持つことが相手にとって脅威になると思いますね。

――正木選手が6番でいい働きをすることで、打線がさらに厚くなった印象です。

高木 バッティングは思い切りがいいですね。また、自分がどう攻められるのか、どういうバッティングをするべきなのか、といったことを冷静に整理してから打席に入っている印象を受けます。だから、変な力みがない。ベンチが考えていることを理解しながらプレーしていると思いますし、そういう選手がいてくれるとチームは助かりますよ。

【西武の将来のエース候補】

――投手で注目している有望選手は?

高木 ここ2試合は失点が多いですが、西武の渡邉勇太朗(6年目)はいいですね。3年目には4勝(4敗)を挙げましたけど、その時も「すごくいいピッチャーが出てきたな」と見ていたんです。余力を持って投げていて、勝負どころでは出力を上げて150km台後半を出すことがある。

 7割ぐらいの力で投げても150kmを超えるぐらいの出力があって、それをコントロールよく投げられるんです。モノが違うというか、持っているパワー、エンジンが違うという感じがしますね。

※8月14日時点の成績・・・11登板、1勝4敗、防御率3.18、奪三振率5.22

――身長は191cmと、体格的には同じ西武の髙橋光成投手に近いですが、ピッチングを比べるとどうですか?

高木 髙橋は出力を調整するのではなく、すべてのボールに体重を100%乗せて力を伝えるタイプ。だから力が残っていれば抑えられるんですが、力が落ちてきて一度つかまりだしたら止まらなくなる。いずれにせよ、渡邉の投球スタイルとはちょっと違いますよね。

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