ヤクルト戦力外のち楽天から想定外のオファーに「まさか...」 20代でコーチ就任の奥村展征「新しい世界を見まくり」 (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文・写真 text & photo by Wada Satoshi

【目指す指導者像は高校時代の恩師】

 試合が終われば、ノックバットを手にして選手と居残り練習を行なう。この半年間で特にうれしかったことを問うと、オープン戦で一軍に昇格し、即盗塁を決めた辰見鴻之介の名前を挙げた。

「ファームでキャンプをスタートした選手が、一軍初出場で初盗塁を決めたわけですから。僕が今までずっと見てきたわけではないんですけど、めちゃくちゃうれしかったですね」

インタビューで現役時代と現在について語ったインタビューで現役時代と現在について語った

 選手時代から他人の活躍を一緒に喜んできた奥村にとって、自分が指導した選手の活躍は格別だっただろう。

 奥村にとっての理想の指導者像は、やはり高校時代の恩師・荒木監督だ(気を遣う性格ゆえ、これまで指導を受けた多くの指導者の名前を挙げてくれたが)。

 自分で投げて、自分で打って、ベンチプレスもチーム1という、何でもこなす指導者だった。だからこそ、「この監督を超えたい、ついていきたい」と思えたという。もちろんそっくり真似できるわけではないが、憧れは大きい。

 まだ第二の野球人生に踏み入れたばかりだが、奥村がどんな指導者になっていくのか、楽しみだ。奥村ならば新しい指導者像を作り出してくれそうな気もする。

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