今中慎二がフォアボールで炎上の中日ピッチャー陣の課題を指摘「ゾーンで勝負することを再度徹底すべき」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【フォアボールを出した時に「踏ん張れない」】

―― 一方、トミー・ジョン手術を経て今季の飛躍が期待される梅津晃大投手には、今中さんもシーズン前から注目されていました。0勝2敗と勝ちはついていませんが、防御率は2.57と、内容や投げている球は及第点ですか?

今中 そうですね。投打の兼ね合いで勝ててはいませんが、この先に力を発揮すると思います。春先の屋外球場のナイターゲームは寒いですし、トミー・ジョン手術明けというのも考慮して登板間隔を空けているんだと思いますが、気温が上がってきたらそういう心配もなくなります。

 ピッチングはかなりパワーアップしていますね。大谷翔平みたいに体がゴツくなって、球に力がある。フォークやスライダーをある程度制球できていますし、ピッチングスタイルは大谷と同じような感じ。若干コントロールが乱れる時がありますが、課題はそれくらいじゃないですか。

――連勝していた時は先発ピッチャーが踏ん張り、ワンチャンスを生かして僅差の試合をモノにする傾向でしたが、大量失点が続いていた時期はやはりフォアボールが課題だったでしょうか。

今中 序盤に大量失点していては中日のペースに持ち込めませんし、打ち込まれる時はすべてフォアボール絡み。それでは守っている野手も集中力を保つのが難しくなります。昨季もそうでした。

 阪神との4月20日の試合は初回に先制され、2回にすぐに逆転したのに、その裏にビッグイニング(7失点)を作られて......。それも(シェルドン・)ノイジーへのフォアボールから始まりましたし、そういうことをやっていたら野手もシラけてしまいます。

――フォアボールが勝敗に直結してしまっている?

今中 4月20日に立浪和義監督とお会いした時にも「やっぱりフォアボールがきっかけで点を取られる」という話をしていました。フォアボールを「出すな」ということではないんです。出してしまっても踏ん張れればいいのですが、踏ん張れない。阪神のバッターたちがどんどん振ってきたとしても、ストライクゾーンで勝負しなければいけません。

 阪神のバッターたちは、高めのボール球にあまり手を出していませんでした。それが、おそらく中日のピッチャー陣を苦しめたんです。逆に、中日のバッターたちは高めのボール球を振ってしまう。その差が結果に表れたんじゃないですか。

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