福田秀平が吐露したロッテでの苦悩の4年 「チームやファンの方にすごく残念な思いをさせてしまった」 (2ページ目)

  • 杉田純●文 text by Sugita Jun

 それでも移籍1年目という立場ゆえ、62試合に出場するも万全の状態でプレーすることができず、打率.216、5本塁打、19打点、3盗塁と不本意な数字が並んだ。

 そしてこの年に無理したことで、さらに歯車を狂わせた。

 翌2021年シーズンは一軍出場わずか4試合。前年の死球による肩の痛みは抜けなかった。22年も20試合の出場にとどまり、ヒットは7本で打率.171。そしてこの年の10月、福田はついに右肩の手術に踏みきる。死球を受けてからは、約2年半の時が過ぎていた。

 4年契約の最終年となった2023年は、3試合の出場にとどまりヒットは2本。しかし、ファームでは91試合に出場し、打率.284、5本塁打、23打点の成績を残した。「去年手術を受けて、そこから半年以上なかなか上向いてこないなかで、最後の最後ですけど状態が上がってきました」と語るように、ようやく本来の姿を取り戻しつつあった。

 戦力外通告を突きつけられたのは、そんな矢先のことだった。

【34歳にして見えてきた復調の兆し】

 ロッテでは思うような成績をあげられなかった福田だが、コンディションは上がっていた。

「この3年間、肩の状態は悪かったんですけど、7月後半くらいから痛みなくプレーできるようになって、8月くらいから体が元気になり始めました」

 トライアウトでは7回打席に立って1安打、2四球。元ヤクルトの鈴木裕太からあわやホームランというフェンス直撃の二塁打を放ち、守備でもファースト、ライトをそつなくこなした。

「投げることだったり、強く振ることだったり、そういう姿を見せることができてホッとしています」

 34歳にしてようやく復調した姿を、多くのファンとスカウトの前で見せることができた。

 そんな福田にとって、ロッテで過ごした4年はどういう時間だったのだろうか。

「本当に不本意な4年間でした。やっぱり、肩のケガがこんなに長引くとは思っていなかったですね」

 真っ先に出てきた言葉は「不本意」だった。FAでロッテに入る際、本人はもちろん、球団やファンも大きな期待を寄せていたはずだ。それに応えられなかったという後悔が、福田の胸のなかに刻まれる。

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