谷繁元信が注目している捕手...高卒ドラ1松尾汐恩、移籍の森友哉、捕手専念の坂倉将吾はどうか? 打てる捕手は「スーパーキャッチャー」 (2ページ目)
対して森が抜けた西武には柘植世那、古賀悠斗というキャッチャーがいます。去年捕手として出場したのは、柘植は42試合、古賀は26試合でしたが、トータル的にふたりともいいものを持っています。松井稼頭央監督は先発投手に応じて使い分けると話していましたが、試合に出ることで磨かれていく能力があるはずです。どんどん競争して、レベルを上げていってほしいですね。
そのほかのキャッチャーではDeNAの松尾汐恩、中日の山浅龍之介というふたりの高卒選手に注目しています。ともに春季キャンプで見ましたが、松尾は高校の頃と"同じ姿"でした。つまり、コーチは何もいじっていないということです。まだ高校の時と同じような動きという印象で、これからどうなっていくかは想像がつかないですが、ドラフト1位で期待されて入団しています。いずれ正捕手になってほしい存在ですね。
一方、山浅はキャッチャーとしてのスキルはかなり高いものがあると感じました。キャッチングもうまいですし、セカンド送球も捕ってから速い。送球の正確性も結構あったので、これは面白いキャッチャーだと感じました。これから体力がついて経験を積み、打つほうも力をつけていけば、主力になる可能性があるキャッチャーです。
1年目から一軍でどれくらい出られるかは、他の選手との兼ね合い、そしてベンチの考え方次第になります。少なくとも、守りに関しては一軍で出場しても問題ないレベルに達していると思います。
高卒キャッチャーという意味では、昨年、ロッテの松川虎生が1年目から捕手として76試合に出場しました。佐々木朗希とのコンビですごく注目されましたが、1年目からプロのピッチャーの球をあれだけ捕れて、試合に出られるのはすごいことです。ただし、打率.173とバッティングに課題を残しました。プロ野球ではある程度打たないと、キャッチャーといえども出られなくなります。2年目を迎えて松川がどれくらい去年の課題を潰していけるか。1年目にいいものを見せてくれただけに、さらなる成長が楽しみな選手です。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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