ヤクルト石川雅規「勝てない自分が恥ずかしいと思った30代半ば」を乗り越えて 43歳の今「まだまだ野球がうまくなりたい」 (2ページ目)
●「野球がうまくなる本、どこかに売っていませんか?」
ーー昨シーズンが終わって、すぐに自主トレに入っていました。完全休養の期間はほとんどなかったのでは?
引退したら、いくらでも休めますからね(笑)。シーズン終わって、5日から1週間ぐらいはのんびりしましたが、その間も、散歩したりストレッチしたりして汗を流していました。
それに、オフの間でもボールの重みを感じたいというか、指先の感触を確かめたいので、軽くですけど投げています。
早くこういうことを試したいっていうワクワク感もあるし、休むことには不安もあるので、そういう気持ちがあるうちは体を動かしたいですね。
ユニフォームを着させてもらっている以上は、まだまだうまくなりたい。年々、そういう思いは強くなっています。
ーー20歳年下の山下輝投手からワンシームを習ったと聞きました。若手の選手から学ぶことも多いのでしょうか?
めちゃめちゃあります。どうやって投げているの?とか、それはどういう感覚?とか、若い選手にも質問しまくっています。
めっちゃ貪欲ですよ! なかなかうまくはならないですけど、自分に合うものはないかな、といつも探しています。野球がうまくなる本、どこかに売っていませんか?
2月の沖縄・浦添キャンプにてこの記事に関連する写真を見るーーご自身も、『石川雅規のピッチングバイブル』という本を出しているのに......。昨シーズンは、1学年下の和田毅投手(ソフトバンク)が、41歳にして自己最速の149キロを投げています。石川投手も、進化しているなと感じる部分はありますか?
ツヨシ、やばいっすよね! 彼は大学でスターだったし、アメリカにも渡りましたし、年齢は僕のほうが上でも、憧れの存在です。
ああなりたいなっていう思いはずっと持っています。彼の頑張りはすごく励みになりますね。
僕の場合、140キロを超えることもないですし、出ても、130キロちょっとなんですけど、スピードガンでは測れない球のキレなどを追求しています。
簡単にはいかないですけどね。全部完璧にいきたいけど、そうはいかないので、どこかで割り切っている部分もあります。
毎年の積み重ねで今があるので、最善を尽くし、最大限のことをやるしかないのかなと思っています。
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