「根本陸夫に次ぐ真のGMは?」の問いに、メジャーリーグ評論家・福島良一が挙げた唯一の日本人とは? (2ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Sankei Visual

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「昔のメジャーリーグにはGM兼監督がいました。たとえば、ホワイティ・ハーゾグが1980年のシーズン途中からカージナルスの監督に就任し、なおかつGMを兼任しています。82年まで務めて、その年はチームをワールドシリーズ優勝まで導きました。でも、それから40年が経って、メジャーリーグにGM兼監督はひとりもいません。

 それ以前のように簡単な時代ではなくなり、GMの仕事が複雑化して、とてもひとりではやりきれないぐらいの仕事量がありますからね。監督と兼任するということは、常識では考えられないです。たぶん、日本のプロ野球もそういう時代になっていると思うけれど、相変わらず監督がオールマイティの球団が少なくないでしょう。だからGM兼監督も可能なんだと思いますね」

 そういう意味では「楽天だけではない」ということも言えそうだ。選手経験のある大塚淳弘(元・巨人)が編成トップ(球団副代表・編成本部長)の巨人にしても、実際には監督の原辰徳がGMと同様の役割を果たしているとも伝えられる。ただ、だからといって、監督経験のあるGMがベストというわけでもないと福島は言う。

「詳細に調べていないのでなんとも言えない部分はありますが、はたして、GMを務めるほどの野球の知識、人脈、すべて備えているのかなと、疑問符がつく人はいます。それらを踏まえれば、近年の日本球界で真のGMというと、日本ハムの吉村くんぐらいしかいないんじゃないかと思うんですよ。彼が実質、根本さんに次ぐGMと言っていいと思います」

2005年からGM補佐となり、15年から昨年までGMとしてチームを支えた吉村浩氏2005年からGM補佐となり、15年から昨年までGMとしてチームを支えた吉村浩氏この記事に関連する写真を見る

日本ハムを躍進させた立役者

 2015年から21年まで、日本ハムGMを務めた吉村浩。21年オフから稲葉篤紀(元・ヤクルトほか)がGMとなり、吉村はそれまで兼任していたチーム統括本部長専任となったが、その手腕は球界内で注目されていた。選手経験はなく、1987年から90年までスポーツ紙記者。それ以前の早稲田大在学中、福島は"大リーグ研究会"を通じて吉村と知り合った。

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