ヤクルト村上宗隆の三冠王の確率は「70パーセント」。八重樫幸雄が好調の理由を徹底分析 (3ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

村上の三冠王の確率は70パーセント

――ホームランを量産しているので、打点王争いでも現時点ではダントツの成績を残しています(村上89打点、阪神・大山悠輔67打点)。打点王についてはどのように見ていますか?

八重樫 村上の場合はホームランだけじゃなくて、広角に打ち分ける技術もあるし、シチュエーションに応じたケースバッティングもできる。しかもヤクルト打線は強力だから、塁上にランナーがいるケースも多い。村上の打点王は確実じゃないかな?

――そうなると、最初の話にあったように首位打者争いがキモになりますね。横浜DeNAベイスターズの佐野恵太選手、宮﨑敏郎選手、そしてチームメイトの塩見泰隆選手がライバルとなりそうでしょうか?

八重樫 そうですね。佐野も宮﨑も首位打者経験者だから、やっぱり手強いですよ。塩見よりも、僕が個人的に首位打者候補のひとりと見ているのが、阪神の近本光司ですね。足が速い左バッターは内野安打も増えるので、打率がなかなか落ちないですから。

――やはり、先ほどの話に出てきたように、村上選手の場合は「いかにフォアボールを選べるか?」がカギになってきますね。

八重樫 ヒットを打って打率を上げることも大切だけれど、フォアボールを選んで打率を下げないことも大切。このふたつが揃っていないと首位打者は獲得できない。でも、今年の村上を見ている限りでは心配は少ないと思いますね。

――村上選手の欠点は何かないですか?

八重樫 欠点を挙げるとすればサードの守備かな(笑)? でも、バッティングに関しては欠点らしい欠点は見つからない。本当にすごいバッターだと思いますよ。

――大雑把な質問になりますが、村上選手の三冠王達成の確率は、ズバリ何パーセントだと、八重樫さんは考えますか?

八重樫 ケガさえなければ、僕は70パーセントの確率で三冠王を獲れると思います。残りの30パーセントは「きちんとフォアボールを選べるかどうか?」と、「徹底したインコース攻めに対して臆することなく向かっていけるかどうか?」だと見ています。でも、この2点に関しても、今年の村上に関しては何も心配はないと考えていますけどね。

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