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斎藤佑樹「こんな打線、誰なら抑えられるの」。3年春の甲子園、横浜高校戦の大敗から得たもの (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sankei Visual

 駒大苫小牧と引き分けたほうの試合では15回で178球を投げましたが、この関西と引き分けた試合で投げた球数は15回で231球......我ながら、よくこれだけの数を投げたと思います。

 思い浮かんでくるのは関西の4番、安井(一平)選手との対戦です。1試合目の9回、7−4でリードしていたんですが、2つのデッドボールなどでノーアウト満塁にしてしまい、ここで安井選手に走者一掃、同点のスリーベースヒットを打たれてしまいます。アウトハイの真っすぐを右中間に運ばれてしまいました。

 これで7−7に追いつかれたんですが、満塁策をとったノーアウト満塁のピンチを、ピッチャーゴロのダブルプレーと三振で切り抜けて、そのあとは両校とも点が入らず、延長15回、引き分けとなります。

歓喜の勝利と季節外れの雪

 翌日の再試合では2年生の塚田(晃平/のちに早大、カープ)が先発、僕は3回から投げました。5回には僕がホームランを打って2点目が入り、2−1で早実がリードした8回裏、僕は関西の5番、下田(将太)選手に逆転の2ランホームランをバックスクリーンへ打たれてしまいます。すると2−3と1点ビハインドとなった9回表、ワンアウト1塁から船橋(悠)の打った1、2塁間を破るヒットを、相手のライトが後逸、船橋が一気に還って早実が4−3と再逆転しました。

 さらにゼロに抑えれば勝ちとなる9回裏、今度はワンアウトからのサードフライが風に流されて、小柳(竜巳)が捕れません。その後、ツーアウト1、2塁からピッチャーと一塁の間にボテボテのゴロが転がって、僕は捕れると思って手を上げたんですが、ファーストに入っていた2年生の古山(将)が飛び出してしまって、これを内野安打にしてしまいます。ツーアウト満塁となったところで、またも4番の安井選手を迎えました。

 ツーボール、ワンストライクだったと思います。最後、インコースへ投げた真っすぐ(140キロのストレート)を安井選手が打ち上げて、キャッチャーへのファウルフライ。これでついに決着がつきました。

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