2022年の藤浪晋太郎は「ここが違う!」。阪神OB・岩田稔が解説「完璧はもとめなくていい」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Koike Yoshihiro

 今シーズン、阪神タイガースの開幕投手に指名されたのは藤浪晋太郎だった。本来なら昨年チーム最多勝の青柳晃洋が務めるはずだったが、新型コロナウイルスに感染したため、2年連続して藤浪にその大役が回ってきた。迎えたヤクルトとの開幕戦、藤浪は7回3失点と好投。チームが逆転負けを喫し、勝ち星こそ挙げられなかったが、その内容は今後の活躍に大きな期待を抱かせるものだった。はたして、今年こそ藤浪は復活を遂げることができるのか? 大阪桐蔭の先輩であり、阪神でも一緒にプレーした岩田稔氏に、2022年の藤浪晋太郎について聞いた。

プロ10年目を迎えた阪神・藤浪晋太郎プロ10年目を迎えた阪神・藤浪晋太郎この記事に関連する写真を見る

イメージと体のバランス

── ヤクルトとの開幕戦のピッチングを、岩田さんはどのように見られましたか。

「昨年の開幕戦よりも落ち着いていましたし、ピッチングそのものもよかった。本人は納得しているかどうかわかりませんが、私にはすごく自信を持って投げているように感じました。状態はすごくよかったと思います」

── 具体的にどのあたりがよかったですか。

「ボールがしっかり指にかかり、ストレートに威力があったし、課題であった右打者のインコースにもしっかり投げられていました。たまに抜けるボールもありましたが、それも藤浪の持ち味。去年までは抜け球のあと修正できずにいたのですが、今年はそれがない。そのことがマウンドでの落ち着きにつながっているのかもしれないですね。コントロールに苦しむことがなかったですし、新しい藤浪を見られたような気がしました」

── そういうピッチングができるようになった理由はなんだと思いますか。

「こう投げたら、こういうボールがいくというのを頭の中でしっかり理解できている。それがフォームの安定につながっていますし、いいボールがいく割合が増えた最大の理由だと思います」

── 去年まではそれができていなかった?

「イメージはできていたと思うのですが、体がついていけなかった印象があります。そこのズレが大きすぎてボールが荒れていた。まだフォームも固まっていなかったので、修正ができなかった。それが昨年までの藤浪でした。今年はある程度フォームも固まり、イメージどおりに投げることができているから大崩れしない。まだ完成形ではありませんが、昨年と比べたら大きな進歩だと思います。そういう意味で、まだまだ伸びしろはあります

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