阪神OB藪恵壹が解説。球団ワーストタイの開幕5連敗、監督の退任公表など阪神でいま起きている問題とは?

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Sankei Visual

 昨シーズンわずか5厘差で2位となり、今年こそ17年ぶりの優勝を目指す阪神タイガースだったが、開幕から球団ワーストタイとなる5連敗と、まさかの展開を強いられている。その原因はいったいどこにあるのか。OBである解説者の藪恵壹氏に、いま阪神に起きている問題について聞いた。

チームワーストタイとなる開幕5連敗を喫した阪神・矢野監督(写真右から2人目)チームワーストタイとなる開幕5連敗を喫した阪神・矢野監督(写真右から2人目)この記事に関連する写真を見る

開幕戦でまさかの逆転負け

── 開幕から5連敗となりました。

「ヤクルトとの開幕戦がすべてだったと思います。あの試合を勝っていれば、このような状況にはなっていなかったと思います」

── 開幕戦は5回まで8対1とリードしながら、6回以降に9失点して逆転負け。

「不安視されていたリリーフの問題がモロに出てしまった結果となりました。昨年42セーブを挙げたクローザーのロベルト・スアレスが退団して、そこに誰を入れるのかというのはキャンプ、オープン戦からずっと考えていたと思うんです。その結果、カイル・ケラーが抜擢されたわけですが、新外国人にいきなりそのポジションを任せなくてよかったのではないかと......」

── もっと日本の野球に慣れてからでもよかったと?

「試合を重ねるなかで適性があるのかどうかを見極めてからでもよかったと思いますね。じつは、スアレスも入団当初は先発もできるというふれ込みでしたが、投げていくうちに1イニング限定で使ったほうがいいという判断で、結果としてクローザーとなった。だから、最初は違うポジションでもよかったんじゃないかと。まずは昨年まで"8回の男"として投げていた岩崎優に9回を任せるのもひとつの手だったかなと思いますね」

── ケラー投手に代わり、湯浅京己投手がクローザーを務めるという報道も出ています。

「湯浅もボールに力があって、いい投手であることは間違いないのですが、いきなりクローザーというのは荷が重すぎる。これでケラーに続き、湯浅でも確立できなかったとなると、ダメージは半端ない。まずは岩崎で固めて、落ち着かせることが重要だと思います」

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