元ロッテ投手コーチ清水直行が分析する佐々木朗希。1年ローテーションを守るには「改善の余地がある」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada
  • Tetsuo photo by Sankei Visual

佐々木が覚えるべき攻め方

 昨年は中10日程度で登板していた佐々木。先発ローテーションの軸としてシーズンを投げていくとなると中6日程度での登板となり、新たな課題も生まれる。

「中10日の場合、『先発の試合が10日に1回やってくる』という感覚だと思いますが、中5日、中6日になると生活の一部になってきて、限られた時間のなかでやらなきゃいけないことが多くなります。そういう部分では、まだ先発投手としてローテーションを一度もまわっていませんし、規定投球回数も投げていないので、疲れを経験して覚えることも出てくると思います。

 トレーニング、ケア、ピッチングの回数など、今まで10日間のなかで行なっていたさまざまなことを6日間でやりつつ、真剣勝負での疲労感を6日間で戻していかなきゃいけません。まだ若いので疲労の回復は早いと思いますが、古傷なども含めて、しっかりとケアしながらの中6日はおそらく経験がないでしょう。

 今年は1回ローテーションを飛ばしたあとに再び中6日にする、といったケースはあるかもしれませんね。それでもやはり、1回、2回と定期的に飛ばすことになると、先発投手のひとつの基準である規定投球回数への到達が難しくなっていく。様子を見つつ、基本的には中6日でやっていくのではないでしょうか」

 昨年の投球を振り返ると、対右打者でも対左打者でもインサイドを攻める割合が低い傾向があった。シーズンを通してローテーションを守り、チームに勝利をもたらしていくことを考えるのであれば、「ピッチングは徐々に変わっていく」と清水は言う。

「やはりインサイドをどう使って打者に攻めていけるのか。もしくは、そこを使いながら外のボールでミスショットさせるのか。今後はそういった配球を覚えていくべきですが、まずは打者がいる、いないに関係なく両サイドにしっかりとストライクが取れて、勝負できるボールを投げていけばいいのかなと思います。

 打者からすると、『インサイドの真っ直ぐはない』といったように、嫌だと感じるボールがひとつ消えるだけでも対応しやすくなるので。逆を言えば、今の状態にプラスして、インサイドを高い精度で突けるようなボールを身につければ、手に負えないくらいの感じになる気はします。とはいえ、インサイドだけが"攻める投球"というわけではありません。インサイドを含めてピッチングの幅を広げていくということですね」

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