DeNA東克樹「えっ、このタイミングで?」。突然の通告に「開幕投手は正装してホテルに呼び出されるのかと...」

  • 石塚隆●文 text by Isizuka Takashi
  • photo by Sankei Visual

プロ野球2022開幕特集
東克樹(DeNA)インタビュー

「もう本当にやってやるぞ!って、気合十分な感じですよ」

 2022年シーズンの開幕投手に選ばれた横浜DeNAベイスターズの東克樹は、笑みを浮かべそう言った。その表情にはパッと輝くような明るさがあり、高揚感に満ちている。

 東は2020年2月にトミー・ジョン(TJ)手術をしたが、不調だった術前や術後のリハビリ中は、いつも不安と焦燥を抱えている表情をしていた。だが、その面影は今はどこにもなかった。

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自身初の開幕投手に

 自身初となる開幕投手を三浦大輔監督から告げられたのは、3月9日の西武とのオープン戦が始まる前だった。

「練習中、三浦監督から声をかけられて『開幕で行くぞ』と。いきなりだったのでびっくりしました。うれしいことなんですけど、『えっ、このタイミングで?』って思いました」

 東は表情を崩しながら続ける。

「ベイスターズの映像作品とかを見ると、開幕投手は正装をしてホテルとかに呼び出されて告げられていたので......そういう感じかなと思っていたんです」

 突然の通告に驚きを隠せなかったが、喜びがじわじわと全身を満たしていく。東自身、開幕投手に選ばれるとは思っていたのだろうか。

「状態はよかったので、可能性はゼロではないと思っていました。ただ、登板がなかったので違うのかなって」

 東は2月26日の日本ハムとのオープン戦で2イニングを投げて以来、開幕投手を告げられる日まで登板機会がなかった。三浦監督は選出の理由を「ブルペンでのボールも安定していたし、総合的に判断して」と語っている。

 齋藤隆チーフ投手コーチと木塚敦志投手コーチからは「おめでとう。ブルペンの状態ばかりではなく、人柄など、そういった部分でもチームに認められて開幕投手に選ばれたのだから、しっかりと自分らしいピッチングをしてくれ」と、叱咤激励を受けた。

目標は規定投球回数クリア

 球界で12人しか選ばれない開幕投手。東は、はたしてどのようなイメージを持っていたのか。

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