球界のレジェンド・山本昌に聞く「なぜベテラン左腕は生き残れるのか?」 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

2022年より投手兼任コーチとなる西武・内海哲也2022年より投手兼任コーチとなる西武・内海哲也この記事に関連する写真を見る── 内海投手は2021年にわずか2試合の登板で1勝0敗、防御率7.71。通算成績は330試合登板で135勝103敗、防御率3.24。来季は投手コーチ兼任になります。

「後輩の面倒見のよさを含め、人望があってこそコーチ兼任で求められているのでしょう。僕は内海くんには真っすぐにこだわってほしいなと感じます。内海くんと言えば変化量の大きなカーブやチェンジアップを持っていますが、ツーシームやカットボールを覚えてから成績が下降した印象があります。もっと真っすぐにこだわったほうが、結果につながるのではないかと見ています」

── 4投手とも人格者のイメージがありますが、そういった人間性も長く現役生活を続けられる要因のひとつなのでしょうか。

「当然、そういうよさがあるから、『もっと現役をやらせたい』と思ってくれる人が出てくるわけです。僕は、好きな野球を何年やってもいいと思っています。彼らが納得いくまでやってほしいですね」

── 最後に左投手からは離れますが、現役最年長であり、中日時代のチームメイトでもある福留についてもコメントをお願いします。

「相変わらずいいところで打ちますし、技術は高いです。試合に出たり出なかったりの難しい使われ方ですが、そのなかでも長所は出せている。彼が超一流なのは、読みの鋭さです。野球をよく知っているので、『自分にはどういうボールがくるか?』と予測できる。まだバットもしっかり振れるし、走れる。まだ十二分にできるはずです」

── 2022年もベテランに要注目の年ですね。

「佐々木朗希くん(ロッテ)や奥川恭伸くん(ヤクルト)のように若く楽しみな選手も多いですが、(ファンの方には)ベテランにしか出せない味も楽しんでもらいたいですね」

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